研究概要 |
本研究は研究期間の4年にわたり,オーストラリアを主たる事例地域とする現地調査を重視している。研究初年度の平成24年度には,詳細な現地調査を効率よく実施するための情報収集および解析,蓄積に力点を置いた。 具体的には,オーストラリア統計局が公表している国勢調査のデータをもとに,研究目的に応じたデータの整理を進めた。また,同統計局が新たにカスタマイズ可能な国勢調査データの公開も実施したため,それに伴った必要資料も購入した。これら一連のデータ購入により,研究目的に応じた詳細な属性をもつデータ(例えば,最も詳細な小統計区単位において,「イタリア系/海外生まれ/週給1000豪ドル以上」といった,特定の属性を複数クロスさせたデータ)を自由に入手できるようになった。なお,収集したデータは,すべてGISソフトウェア上にて空間データベースとして蓄積・管理した。また,これらの膨大なデータは研究初年度ですでに数10GBに達したことから,データ管理に適した大容量の記憶媒体をもつノートパソコンを購入した。このパソコンを現地調査に持参することにより,事前の情報収集と現地調査で収集したデータの双方を効率よく管理しながら研究を遂行できた。 今年度はオーストラリアのメルボルン,シドニーおよびゴールドコースト,ケアンズを中心に現地調査を実施した。今後は現地調査で収集したデータの解析を進め,次年度以降の本格的な現地調査に資する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
メンバー間で事前に日程調整を入念に行ない,初年度1回目の現地調査を共同で実施したため,現地調査の際のレンタカー経費などを節約できた。一方,研究2年目はプロジェクト全体の4年間で最も研究経費が少ないため,1年目に若干生じた残額を2年度の研究経費と合算して執行することにより,現地調査を充実させる予定である。
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