研究課題/領域番号 |
24401040
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷 正和 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (60281549)
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研究分担者 |
朝廣 和夫 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (30284582)
坂本 麻衣子 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (50431474)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 森林消失 / バングラデシュ / テクナフ半島 / ポリティカル・エコロジー |
研究概要 |
この研究の全体的目標は、バングラデシュ・テクナフ半島における森林消失と貧困の関係の解明である。研究の目的は、地域の貧困に関連して森林再生が妨げられるメカニズムを明らかにすることと、貧困層の生計は担保しつつ森林再生を可能にするメソドロジーを考察することである。 このような目的を達成するため、平成25年度は、まず保全林であるテクナフ野生動物保護区(TWS)周辺の集落に関して、概要調査と詳細調査を行った。概要調査はTWS周辺に分布する105集落を対象として、すべての集落を調査員が訪れ、その位置、人口、世帯数、生業構成などについて記録した。詳細調査はテクナフ半島西海岸に位置する3集落で行った。この3集落のデータをもとに、森林に影響を及ぼすキンマ栽培農家の社会経済的位置づけについて明らかにした。 また、昨年度森林局への調査で作成されたソーシャル・フォレストのリストに基づき、それぞれのソーシャル・フォレストの林地について詳細な調査を行った。このリストにある林地をさらに検討し、確かにソーシャル・フォレストと認められた40か所あまりの林地については、すべて現地踏査を行い、当該地区の森林の状態、樹木の種類、管理活動などについて調査記録した。 森林の時系列変化を追跡するため、LANDSATなどのアーカイブ化されている画像に好いて所在調査を行った。資源循環モデルを作成するための基礎データとして、データロガーを現地の村1か所に設置し、継続的に降水量を測定している。 これまでの研究成果は、2013年8月に北九州市立大学で開催された第4回International Conference on Environmental Aspects in Bangladeshにおいて特別セッションを組織し、6本の論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年後半は2014年1月に実施されたバングラデシュの総選挙の影響で社会が不安定となり、そのことによって調査活動もある程度阻害された。しかし、研究組織メンバーの現地調査は年2回であるが、現地で雇用した調査調整員とバングラデシュの大学に所属する海外共同研究者により、継続的に調査活動を行える体制となっているため、社会的な安定が回復した後に研究活動を進捗させ、ほぼ計画通りに研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
総選挙も終了し社会不安の可能性は低くなったため、研究活動は予定通り推移する予想できる。現地の調査調整員との意思疎通も順調で、調査活動の機動性が高まった。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年12月に計画していた現地調査が、バングラデシュ総選挙直前であったため、選挙に伴うゼネストが頻発し、調査を実施しても移動ができない状態であったため中止したことで、その調査に予定していた調査費(旅費など)を支出しなかったため、次年度への繰越額が発生した。 総選挙に伴うの社会的な混乱も沈静化したため、調査を実施することには問題がなくなった。昨年12月に計画していた調査も併せて、今年度実施することで、繰り越した予算を使用する計画である。
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