研究課題/領域番号 |
24402003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
白川 博章 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50393038)
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研究分担者 |
吉田 貢士 茨城大学, 農学部, 准教授 (20420226)
牧 雅康 京都大学, 工学研究科, 助教 (50375391)
本間 香貴 京都大学, 農学研究科, 講師 (60397560)
本郷 千春 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 准教授 (20272354)
東 修 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (70464154)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境サービス支払い / PES / インドネシア / チタルム川 / 分布型流出モデル / リモートセンシング / 稲生育モデル / アグロフォレストリー |
研究概要 |
本研究では、インドネシア・チタルム川流域を対象として、農業用水の節水ポテンシャルを定量的に評価し、都市から農村への節水に対する補償(環境サービス支払い:PES)の可能性を検討するものである。本調査は6つのサブテーマから構成される。具体的には、(1)洪水・渇水リスク評価、(2)稲生育モデルの開発、(3)リモートセンシング技術を用いた収量予測、(4)都市水需要予測、(5)農家世帯の干ばつ時の対応、(6)節水に対する補償制度、である。 サブテーマ(1)は、インドネシア西ジャワのチタルム川を対象として分布型流出モデルをベースに気候変動に対する水資源供給量の時・空間分布を推定するとともに、河川水質モニタリングの結果から、農業に起因する窒素負荷量とその空間分布の特定を行った。サブテーマ(2)は、サブテーマ(1)、(3)と共同で現地のイネの栽培および生育実態の調査を行い、原型となるモデルを構築に取り組んだ。サブテーマ(3)は、サブテーマ(1)、(2)と共同で水稲の品種、土壌特性、灌漑システム、過去の生産実績などの情報収集を行い、それらをGIS上に一元化しデータセットを作成した。また、このデータから生産ポテンシャルの評価を行った。サブテーマ(4)は公刊されている統計資料を用いて、経済成長と工業用水需要の関係を分析した。サブテーマ(5)は、チタルム川流域ではチアンジュール県・チヘア灌概区において生計調査を行うため、公刊されている統計資料の整理や現地カウンターパートと調査項目や調査方法の確認など、アンケート調査を実施するのに必要な事前調査を実施した。サブテーマ(6)は、チタルム川流域における水資源管理の法制度について、文献調査を実施した。また、チタルム川流域で実際に行われているPESの現状について調査した。チタルム川流域におけるPESでは、環境サービスが定量的に評価されておらず、それが制度普及の障害であることが明らかになった。,
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集、モデルの構築とも当初の予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)水・渇水リスク評価、(2)稲生育モデルの開発、(3)リモートセンシング技術を用いた収量予測、(4)都市水需要予演、(5)農家世帯の干ばつ時の対応、(6)節水に対する補償制度、の6つのサブテーマに別れ当初の予定通り研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、チタルム川流域での調査を実施するための海外旅費、水量・水質の観測等にかかる消耗品費、アンケート調査の経費、データ整理に必要な謝金を予定している。
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