研究課題/領域番号 |
24402006
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長嶋 俊介 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 教授 (10164419)
|
研究分担者 |
野田 伸一 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 教授 (60112439)
西村 知 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (20253388)
川西 基博 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (50551082)
山本 宗立 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 准教授 (20528989)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 島嶼経営 / 公衆衛生 / 社会的関係資本 / 地域研究 / 気候変動 / 社会移動 / 公共セクター / リスク低下 |
研究概要 |
蚊が媒介するデング出血熱は、媒介蚊存在と、主要な発生源が輸入食品依存等で生じた空缶・プラスチック容器であるとする、知見をふまえて、社会環境、自然環境、健康状況、食生活、塵の発生状況を把握するための調査を実施した。伝統近代混合型からNGO・自治組織・政府連携に変わりつつある社会的関係資本のビス島・ピンラップ島、そしてそれを支える出身者集団を調査した。その結果新しいパワー・ネットワークとしての婦人組織を重視する必要があること、伝統統治構造の垂直化から水平化もしくは縮小現象への推移、コミュニティ行政組織の民主化かつ再分配的機能、出身地意識とネットワークについては、サポート力は組織的ではなく、地縁は協働単位として機能し、血縁は扶助サポートとしてより機能することが確認された。 また蚊の発生源特定調査を、2島内ほぼ全世帯に対して行い、記録化した。その予防対策として、貯水箇所表面と容器を管理することと、島民が実施していたメダカ類の投入などについて、基礎的事実の確認の上に立った初期対応の確認を島民リーダー達と行った。またデング熱発生機器に関するセミナーを両島で行い、情報確認を行った。 小規模島嶼内のライフスタイルは公衆衛生的管理のみならず、実生活を支える植生・生業・社会的移動と密接に関わっているので、それらの基盤移動と生活実態を記録化した。それらは蚊の発生源調査と重ねて行っている。 今後はその発生源対策後の初期変化を確認の上、さらにほぼ全域的調査に結びつけ、住民参加型・社会的関係資本結合型のリスク低減活動可能性をさらに探求する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デング熱発生源対策について、発生源確認を、ほぼ全世帯的で調査できた。その衛生環境管理と責任的関係者の自意識と実践力確認も行ったが、単なる動機付けでは済まない困難さもある。社会的関係資本の現況確認も実現でき、次なる動員可能性への諸糸口開拓もしくは質的配慮諸条件を見いだす調査となった。島内外を結ぶ社会環境変化と食生活などのライフスタイル確認、生態調査は順調に進み、次なる展開への準備を完了した。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度の英語での対応から現地語でのパンフト類も交えた普及啓発まで展開を進めると共に、公共セクターとの協働によるサポート体制による展開の徹底策並びに持続可能な仕組み作りへの展望をより確かなものにしていく方途を探求する。
|