研究課題/領域番号 |
24402017
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菊谷 達弥 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (80183789)
|
研究分担者 |
塩地 洋 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60215944)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 成果主義賃金 / 自動車ディーラー / 内部組織 / 国際比較 / 経済事情 |
研究概要 |
研究分担者の長期的な一連の調査の都合から、東南アジアを中心に調査を行った。インドネシアでは、日系自動車メーカーとそのディーラー、インドネシア自動車工業会、中古車販売店等を取材し、インドネシア自動車市場の現状と今後の拡大の動向を調べた。自動車ディーラーでは、日本よりも成果主義の強い給与体系が導入されていた。ベトナムでは、日系自動車工場、自動車部品メーカーを取材調査した。自動車ディーラーでは、セールスパーソンの定着に向けた人事管理方式が多様な形で行われていた。タイでは、新車および中古車流通の現状を調査するため、乗用車/商用車を生産する日系自動車メーカー、日系および韓国系メーカーの新車ディーラーなどを取材した。なかでも特に、タイに進出した日本のディーラーへの取材を通して、日本とタイにおけるセールスパーソンの人事管理様式の違い、セールスパーソン市場の違いが明らかになった。ニュージーランドでは、新車および日本から輸出された中古車の流通の現状を調査した(ニュージーランドは先進国でありながら国内に自動車メーカーが存在しないユニークな特徴を持つ)。ニュージーランドでは、前出の国々と比べてセールスパーソンの地位が相対的に高く、離職率も低い。給与体系は日本よりも成果主義の強いものであった。そして、比較対象となる日本国内についても、嘗ての年功制の強い賃金体系から、米国をモデルとした成果主義賃金に移行した有力ディーラーを事例として、経緯と現状の制度、移行理由の聞き取り調査を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、欧米を中心に、聞き取り調査とアンケート調査を実施する予定であったが、これを変更し、東南アジアを中心に聞き取り調査を行った。調査の対象国は当初予定よりも増加し、かつ、対象国の多様性も拡大した。もともと、成果主義を含む給与体系および人事管理方式の多様性とその原因について調査する予定だったので、この変更はむしろ望ましいものである。ただしアンケート調査については、初年度から実施する予定であったので、この点では予定よりも遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度以降では、まず、フランスおよび東欧(ブルガリア、ルーマニア等)において自動車流通システムの調査とディーラーにおける給与体系の調査を行う予定である。その後あるいは同時に、それまでの聞き取り調査結果をもとに調査票を作成し、英語圏においては英国および米国、そしてアジアにおいては韓国において、順次アンケート調査を実施する。調査結果を分析して、ティーラーにおけるセールスパーソンの給与体系、特に成果主義的賃金制度導入の程度の違いとその理由を明らかにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度に行った海外調査のうちの2回について研究者の一人(菊谷)が参加を取りやめたために、調査費が繰り越されることになった。次年度では、フランスおよび東欧(ブルガリア、ルーマニア等)において自動車流通システムの調査とディーラーにおける給与体系の聞き取り調査を行う予定である。また。英国におけるアンケート調査を実施する。あるいは最低でも実施の道筋をつける。
|