開発途上国では、産業発展を促進するために経営知識の不足を解消することが政策課題になっている。エチオピアでは政府が率先して日本的経営手法であるカイゼンの普及運動を始めた。そこで同国において企業調査を実施してパネルデータを収集し、経営知識の普及プロセスを分析した。品質や生産性の向上の必要性を痛感している大企業から経営知識の導入が広まりつつある実態とともに、企業間で知識がスピルオーバーする機会があること、日本的なカイゼンを自国流に消化している企業ほど知識の導入が業績向上につながっていること、工学的な個別技術の普及と異なり経営知識の普及にはメディア・キャンペーンが有効であること等が明らかになった。
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