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2013 年度 実績報告書

ОDAにおける農・食品・文化クラスターの戦略的開発モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24402022
応募区分海外学術
研究機関日本大学

研究代表者

朽木 昭文  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10450446)

研究分担者 溝辺 哲男  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (50592622)
伊東 正一  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30222425)
山下 哲平  日本大学, 生物資源科学部, 助教 (30432727)
中村 哲也  共栄大学, 国際経営学部, 准教授 (80364876)
菊地 香  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (30325831)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードバリューチェーン / 観光開発 / 環境意識 / シークエンスの経済 / 遺伝子工学
研究概要

本研究は、開発途上国における農業・農村開発の新たな開発モデルとしての農業クラスターの意義とその役割について、実証調査を通じて明らかにすることを目的としている。
この研究方針に従い、朽木・中村は、理論モデルを暫定的に完成し、日本貿易振興機構支援・広東省産業高度化推進事業とJA宮崎農産物輸出推進事業の事例に適用した。溝辺は、アフリカ、ラテンアメリカにおける農業関連産業の集積状況(クラスタリング)を中心とする現地調査を実施した。農業関連産業の前方には農作物を原料とするアグロインダストリーがあり、後方には農業やアグロインダストリーに生産資材を提供する関連産業が位置する。その範囲は、異業種を巻き込みながら膨大な経済的な価値を生み出し新たな付加価値を生み出していることが明確になった。伊東は、国際穀物価格データの収集および分析を行った。国際穀物価格の変動は相互に代替性の関係を有しており、価格の変動がクラスターを形成している、と推察される。これは、将来の穀物価格変動を推測する上で、非常に重要なポイントとなるであろう。菊地は、閉鎖環境下にある亜熱帯島嶼地域の産業蓄積について、石垣島のサトウキビ、新石垣空港開港による西表島のパインアップル農家の民宿経営への影響を中心に検討した。山下は、東南アジア(カンボジアとベトナムの比較)とその食と健康から発展する観光クラスターにおける萌芽としてモンゴルを調査し、環境意識とライフスタイルを軸に食・農・文化クラスターの発展段階を解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

農・食文化クラスターを6次産業クラスターと再定義し、「農・食・観光クラスター」に着目した。これまでの研究の方向は次の3点である。第1に、「シークエンスの経済」の計量的な検証に関するプロトタイプ(原型)モデルを構築した。これは、シンガポールと香港のハブ空港の建設を事例とした。第2に、シークエンス経済の理論的な検証を行った。第3に、R. Dawkinsのコピー忠実度の優れた「利己的遺伝子」の組織行動、つまり産業クラスター形成行動への適用により仮説を形成した。以上により、農・食・観光クラスター形成に関する「シークエンスの経済」の実践化に向けて2年目の成果が順調であった。

今後の研究の推進方策

開発モデルと想定しているクラスターの促進を検証するにはバリューチェーンのプロセスを追うことで明確になることが理解された。今後ともサプライチェーンの変化とバリューチェーンの変化の把握を通じてクラスター化の現状と課題を明らかにする。
また、最終的な研究の成果品として、次年度経費を用いて、本科研参加者全員による出版を計画している。

次年度の研究費の使用計画

研究会に係る旅費コストについて、年一回の全体会合以外については、学会の機会を利用したり、メールや電話を利用することでおさえることが可能となった。またその際に、研究会に合わせて現地調査を行うことで、大幅な支出削減ができた。
研究成果の進捗をにらみ、最終年度の研究成果の取りまとめとして出版計画が進んでいる。出版に係るコスト(約700,000円)は、当初の予算計画に明確に組み込まれていなかったが、過去2年間の計画的な予算執行と無駄の排除によってこの支出が可能となったため、このために使用する。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ブラジル・セラード地帯におけるダイズ製品のバリューチェーン2014

    • 著者名/発表者名
      溝辺哲男
    • 雑誌名

      開発学研究

      巻: 25 ページ: 47-53

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アジアの国際空港開設による経済成長分析 -香港・シンガポールを事例として-2014

    • 著者名/発表者名
      陳志鑫・朽木昭文・中村哲也・矢野佑樹
    • 雑誌名

      開発学研究

      巻: 24 ページ: 64-71

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ブラジル・セラード開発によるもう一つの側面 -開発にともなう社会的な変容-2014

    • 著者名/発表者名
      溝辺哲男
    • 雑誌名

      開発学研究

      巻: 9 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 環境リテラシー・アプローチ―モンゴルにおける一実践―2014

    • 著者名/発表者名
      山下哲平・石川守
    • 雑誌名

      人間科学研究

      巻: 11 ページ: 158-168

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アジア地域の産業クラスターの展望と課題-アジア成長トライアングルにおける「農・食文化クラスター」の形成-2013

    • 著者名/発表者名
      朽木昭文
    • 雑誌名

      開発学研究

      巻: 24 ページ: 8-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 産業クラスター形成に向けた生物基幹形成プロセスの適用分析2013

    • 著者名/発表者名
      朽木昭文・溝辺哲男・小田宗宏
    • 雑誌名

      人間科学研究

      巻: 10 ページ: 43-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] REDUCTION IN TOTAL SUGARCANE PRODUCTION IN OKINAWA: A CASE STUDY ON ISHIGAKI ISLAND2013

    • 著者名/発表者名
      KIKUCHI KOH
    • 雑誌名

      Proc. Int. Soc. Sugar Cane Technol

      巻: 28 ページ: 1-5

    • 査読あり
  • [学会発表] Reduction in total sugarcane production in Okinawa – A case study on Ishigaki Island

    • 著者名/発表者名
      菊地香
    • 学会等名
      ISSCT
    • 発表場所
      ブラジル・サンパウロ
  • [学会発表] 香港へ向かう中国人訪問者の顧客特性

    • 著者名/発表者名
      陳志鑫・中村哲也・朽木昭文
    • 学会等名
      日本国際地域開発学会
    • 発表場所
      弘前大学
  • [学会発表] アジアの国際空港開設による経済成長分析 -香港・シンガポールを事例として-

    • 著者名/発表者名
      陳志鑫・朽木昭文・中村哲也・矢野佑樹
    • 学会等名
      日本国際地域開発学会
    • 発表場所
      東京農業大学
  • [学会発表] とちおとめのポジショニング戦略と購買選択行動 -とちぎ農産物モニターネット調査を事例として-

    • 著者名/発表者名
      中村哲也・丸山敦史
    • 学会等名
      日本フードシステム学会
    • 発表場所
      筑波大学
  • [学会発表] 香港輸出再開に向けた消費者選好分析 -とちぎ和牛及びなすひかりを事例として-

    • 著者名/発表者名
      中村哲也・丸山敦史
    • 学会等名
      日本農業市場学会
    • 発表場所
      新潟大学
  • [図書] グローバル化と食品企業行動 共著 第10章 ブラジルセラード開発を起点とした日系アグリビジネスの展開2014

    • 著者名/発表者名
      溝辺哲男
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      農林統計協会出版
  • [図書] Dessarollo del Cluster Agricola y los Futuros Desafios2014

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo MIZOBE
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      ECLAC(国連ラテンアメリカ機関)

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公開日: 2015-05-28  

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