研究課題/領域番号 |
24402028
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
鷲田 祐一 一橋大学, 大学院・商学研究科, 准教授 (80521286)
|
研究分担者 |
上原 渉 一橋大学, 大学院・商学研究科, 准教授 (30515060)
山下 裕子 一橋大学, 大学院・商学研究科, 准教授 (90230432)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | デザイン / イノベーション / 参与観察 / マーケティング / 経営 |
研究概要 |
平成24年度は、研究目的、および研究実施計画どおり、(1)デザイン産業全体の現状把握、先行研究の理解、および中国デザイン産業の現状把握のため、大規模な実務家・有識者取材、先行研究確認を日中両国で実施した。(2)また中国でのデザイン業務の参与観察を実施し仮説検証のために必要な知識・実証情報を得た。(3)さらに現段階での実績を研究発表するため学会発表、論文発表、シンポジウム開催、実業界での研究発表を実施した。(4)そして、それらをまとめた書籍執筆の業務を開始した。具体的には以下のとおり。 (1)有識者取材:日本デザインセンター代表の原研哉氏をはじめ20名の実務家・有識者。先行研究把握:デザイン関連の過去10年の和洋書約50冊、日本デザイン学会論文誌、経済産業省デザイン行政関連調査報告書、その他。 (2)中国社会科学院の劉志明氏らへの取材の結果、中国最大手の衛生陶器メーカー「恵達社」での日本人デザイナー起用業務はとん挫したことが判明したため、その経緯の詳細取材を実施したうえで終了。その代りに北京市で活躍する著名な日本人建築家の迫慶一郎氏が実施した「北京素像」の業務について建設現場に参与観察を実施し、日中の業務遂行の差を検証した。 (3)日本商業学会平成24年度第3回全国研究報告会(2012年12月6日)での研究発表、デザイン学研究特集号「日本のデザイン産業を中国に輸出する際の実務的課題検討」Vol20-1,No.77,2012、中国関連特別シンポジウム『新体制発足後の中国~激動する巨大市場と日本企業のビジネスチャンス』(2012年11月15日)、北陸経済連合会主催:伝統工芸海外展開セミナー「デザイン」×「伝統工芸」×「IT」研究発表(2012年11月22日) (4)有斐閣「デザインがイノベーションを伝える(仮題)~文化産業の競争力と新しい経営戦略の模索~」2013年内発刊予定
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中国側のビジネス環境変化によって参与観察の対象企業の変更があったものの、それ以外の計画はすべて順調に進んでいる。また変更後の観察対象企業は中国の建築デザイン産業の現況をよく代表しており、観察対象として最適といえる。
|
今後の研究の推進方策 |
観察対象を迫慶一郎氏のプロジェクトに変更したため、平成25年度もその参与観察を継続する。同時に、計画どおりその分析を開始する。また仮説を幅広い有識者に提示して頑健な検討を実現するために、中国社会科学院との研究発表の定例化、および日本マーケティング学会での定期的な研究発表を実施する(6月、11月、3月を予定)
|
次年度の研究費の使用計画 |
観察調査対象が変更になったことで平成24年度は想定より予算執行が遅くなった。平成25年度は速やかに計画を遂行する。また量的な検証もある程度必要と考え、デザイナーに対して意識調査を実施する(約100万円を想定)。また中国での日本製家具・日用品の販売会社への取材や、日本製品デザインの理解度などについても研究を開始する。北欧、インド、インドネシアなどでの調査の可能性についても検討をはじめる。
|