研究課題/領域番号 |
24402029
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 一穂 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (20150253)
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研究分担者 |
細谷 昂 東北大学, 情報科学研究科, 名誉教授 (10005754)
徳川 直人 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (10227572)
何 淑珍 東北大学, 情報科学研究科, 博士研究員 (60624848)
吉野 英岐 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (90305318)
劉 文静 岩手県立大学, 共通教育センター, 准教授 (80325927)
中島 信博 びわこ学院大学, 教育福祉学部, 教授 (80005826)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会学 / 地域調査 / 国際比較 / 農村社区 |
研究概要 |
本研究は、中国山東省平陰県を調査対象地として、中国華北地方の農村社会における都市化と「社区化」の実態と今後の展望を、事例研究という手法によって明らかにするものである。平成25年度は、本研究の第2年目となるので、現地で本調査を実施した。昨年度は、予備調査を2回実施する予定だったが、中国側の研究協力者である山東省社会科学院の秦慶武研究員の事情により、第2回の平成25年3月に実施した予備調査は短縮せざるを得なかった。そのために、本年度の現地調査の前に、補助事業者全員で昨年度の調査結果を再確認し、本年度の調査内容を検討した。 平成25年6月に研究分担者が山東省と中国内モンゴル自治区とを比較するために訪中し、内モンゴル自治区における「放牧定住」の実態を現地調査した。都市化の動きが経済発展の進む沿海部だけではなく、内陸部においても急速に現れていることが明らかとなった。 また、山東省平陰県で実施する調査のための質問紙を補助事業者で試作し、中国側の研究協力者と連絡を取り合って完成させ、平成25年8月に、平陰県において質問紙による個別農家に対するインタビュー調査を実施した。この調査では、個別社区に居住する農家の家族構成、親族関係、農業経営の状況、兼業の状況、購買圏、通婚圏、余暇活動、参加している各種組織や機能集団、などについて、相手方の同意を得た上で、詳細に聞き取りを行った。その際には、山東省社会科学院の全面的な研究協力を得た。 質問紙についての検討は、まずは山東省社会科学院が行うことにしたため、補助事業者は、日本国内の学会大会に参加して研究交流を進めるとともに、研究分担者が日本社会学会大会で研究の成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在中国で進んでいる社会構造の変容と農村住民の生活実態を実証調査する、という目的は、質問紙調査を実施できたことによって、おおむね達成できたといえる。この調査で得られたデータは、現地で進行中の実態を把握している点で貴重なものである。 都市化と「社区化」の調和的発展という課題を展望する、という目的は、質問紙のデータを解析中であるため、いまだ結論的な言説を提示するまでには至っていない。そのためには、さらに補充調査が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
都市と農村の調和的な発展という現在の中国にとって急を要する課題に応えるためには、調査によって得られた質問紙のデータの解析をさらに進めなければならない。今後は補助事業者による検討によって、それを推進する。 また、質問紙調査の対象地の把握をより詳細に行うために、補充調査が必要である。そのためには、異なる個別社区に居住する農家への詳細なインタビュー調査を、相手方の同意を得た上で実施する。このことによって、研究課題のより高度な解明を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
中国山東省平陰県での質問紙調査費用の一部として支出する予定だったが、費用を最大限切り詰める努力をした結果、印刷費用とした部分に残額が出たものである。 中国山東省平陰県での現地調査において支出しなければならない旅費の一部に充当する計画である。
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