研究課題/領域番号 |
24402030
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
鈴木 規之 琉球大学, 法文学部, 教授 (60253936)
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研究分担者 |
佐藤 康行 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40170790)
櫻井 義秀 北海道大学, 文学研究科, 教授 (50196135)
岩佐 淳一 茨城大学, 教育学部, 教授 (10232646)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 東北タイ / 開発 / 市民社会 / プラチャーコム / 住民組織 / 公共圏 / 社会関係資本 |
研究概要 |
本研究の目的は、東北タイの開発・発展のあり方をその主体や方向性の議論の中でタイの学界で大きく注目された市民社会概念に着目し、市民社会の基盤となるプラチャーコム(住民による小グループ)を調査・研究することにより市民社会形成のプロセスを実証的に明らかにすることである。2006年のクーデター、2010年の赤服と黄服の対立による流血事件は、開発と市民社会形成のあり方に再考をうながした。2011年7月の総選挙で赤服の支持するインラック政権が誕生したが、赤服の活動が最も活発だった東北タイにおいてマクロレベルの変動とミクロレベル(プラチャーコム)のリンクが改めて問われることとなった。本研究ではタイにおける公共圏のあり方や社会関係資本の特質も考慮に入れて分析をすすめたい。 研究方法としては、市民社会形成の基盤となるプラチャーコム(小グループ)について、開発・発展のあり方をつねに考慮しながら、タイ側の共同研究者とともに自立をめざすグループ、高齢者のグループ、障害者のグループ、公衆衛生のグループについて調査を行う。調査をもとに社会開発とプラチャーコム、市民社会についてのモデルを作成し、東北タイとの現状との整合性を研究する。 2年目の平成25年度は、この作業のために、コーンケーン大学においてタイ側の共同研究者との打合せの後、タイにおいて調査を行ない、平成24年度に作成したモデルによりデータを収集した。また、冬期休暇中には補正のための調査を行った。鈴木はコーンケーン大学、ウドンタニラジャパット大学、マハーサラカム大学のメンバーとともに、調査の知見に対して意見交換を行なった。そして2014年1月に琉球大学において国際セミナーを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、東北タイの開発・発展のあり方をその主体や方向性の議論の中でタイの学界で大きく注目された市民社会概念に着目し、市民社会の基盤となるプラチャーコム(住民による小グループ)を調査・研究することにより市民社会形成のプロセスを実証的に明らかにすることを目的にタイ側の研究者と共同研究を行うものである。 2013年9月(コンケン大学)にタイ側と研究打ち合わせのためのセミナーを行い、また2014年1月(琉球大学)に国際セミナーを行い、タイ側の研究者と研究方法の再検討や調査の知見に対する意見交換などを行った。 最終年度である平成26年度にむけておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
前記のように、当初計画はおおむね順調に進展しているため、研究計画通り推進する。3年目の平成26年度は各自が補足の調査を行いつつ、日本語およびタイ語にて報告書を作成する。海外共同研究者も全員が研究報告を作成し、成果は日本およびタイで開催する国際セミナーをはじめ、日本およびタイの学会、国際学会において発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は国際セミナーの招聘予定者が2人参加できなくなったため、470,556円の助成金の剰余が生じた。 平成26年度に旅費として使用する予定である。
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