研究課題/領域番号 |
24402046
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
永田 佳之 聖心女子大学, 文学部, 教授 (20280513)
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研究分担者 |
山西 優二 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50210498)
菊地 栄治 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10211872)
丸山 英樹 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (10353377)
吉田 敦彦 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (20210677)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | レジリエンス / 持続可能性 / 持続可能な開発 / ESD / 災害リスク削減教育 / DRR |
研究概要 |
平成25年度も引き続き研究会を重ね、国際調査のための初年度に作成した質問紙調査項目について仙台市を中心とした現場の教員に試験的に回答してもらった。回答しずらい箇所などにさらに改良を加え、確定版(日本語版)を作成した。さらにプロトタイプとして活用するための英訳版を作った。調査対象国の調査を主に担うカウンターパートに連絡をとり、調査への協力を確約してもらえた国から調査を実施した。具体的には、スリランカを皮切りに、ニュージーランド、インドネシアである。各国、60~100強の回答を得ることができ、また聴取り調査も実施することが適った。質問紙調査の回答は入力作業で整理し(ニュージーランドのみインターネット上の直接回答)、国別の報告書(要約版)を作成する可能性が拓けるところまで来た。なお、トルコは政情不安となり、調査対象地から外した。タイはチュラロンコン大学の附置センターから協力が可能であるとの回答を得たが、こちらも政情不安時期と重なり、調査を断念した。これらの不安要素から、フィリピンを新たな対象国として想定することになった。 上記のような海外調査に加え、当初から予定していた国内のレジリエンス事例の調査にも着手し始めた。具体的には、釜ヶ崎芸術大学を集中的に調査し、レポートにまとめた。さらに、被災地での本格的なアンケート調査に備え、試験的に仙台市や気仙沼市でアンケート調査を実施した。陸前高田市については交渉途中で年度末を迎え、継続課題となった。さらに、レジリエンスの関連図書(和書・洋書)や論文を購入・収集し、理論面での強化をはかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
相当の困難を予想していた海外調査の方は、やや当初の予定よりも早く着手し、現地のカウンターパートの協力のおかげで3ヵ国を終えることができた。しかし、政情不安など、当初は予想していなかった事態が調査の可能性のあった2ヵ国で起こり、調査対象地の変更を余儀なくされたことは研究の進捗状況に影響している。また、国内調査については、被災地での調査の協力依頼を出してみたものの、教育委員会の全面的な協力を得るまでに至らなかった。海外調査に時間と労力を費やした分、国内調査が手薄になったことは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、海外調査対象国を新たに決め、現地調査に着手する。また、すでに収集した3ヵ国のデータについては入力作業をチェックした後に、集計・分析を行う。これらの結果に加え、インタビュー調査等の質的データも加え、国ごとの簡易レポートを作成するようにする。また、国内の事例については、釜ヶ崎芸術大学のようなレジリエンスを具現化しているような事例を増やしていく。さらに、国内の質問紙調査を本格的に実施し、他国との比較を行えるようにデータ収集に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
繰越金が生じているのは、主として当初予定されていた国内及び海外調査の一部が研究分担者の予期せぬ役職への就任や多忙、調査予定国の政情不安などのため、執行されなかったことに負うところが大である。 次年度において、政情が不安定な国での調査をあきらめて新たな調査対象国への切り替えをしていく。具体的には台風等の災害に近年見舞われているフィリピンを新たな対象国として加える予定である。さらに、そうした調査実施に伴う諸費(調査票の印刷や調査補助、現地の受入れ団体へのコーディネート料等)にも使用していく。
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