研究課題/領域番号 |
24402050
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
棟方 哲弥 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 総括研究員 (70229938)
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研究分担者 |
田中 良広 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 統括研究員 (70392933)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 教育学 / 特別ニーズ教育 / インクルージョン |
研究概要 |
フランスは2008年の教育法典の改正において「すべての障害のある子どもが居住地に最も近い通常学校に学籍を登録すること」として、2010年2月18日に国連障害者権利条約を批准した。そして統計上、年々多くの児童生徒が通常学校へ通うようになった。しかし、中等教育段階では、フランス全体でインクルージョンされた障害の児童生徒の約26%が全体としては2%程度のシェアしかない学業不振児のための教育部門に入学している。本研究では、この実態調査を中心として、法律や表面的な統計から明らかでない実態としてのフランスのインクルージョン教育の全体像(俯瞰図)を明らかにすることを目指している。本年度は、国内における基礎資料の収集と重要な資料の翻訳、聞き取りデータの分析のためのシステムの構築、現地への渡航による研究協力者との研究協議、資料収集を行った。国内での基礎資料は、現地での協議に利用するために我が国のインクルーシブ教育システムに向けた政策に関する資料の仏語訳、権利擁護官などが行っているインクルーシブな教育に関する資料の和訳資料の作成、親の会等が行ったアンケートや統計データを再分析するためのデータ入力を実施した。現地調査では、国立障害・適用教育高等研究所(INS-HEA)の名誉教授であり、フランス中等教育段階職業教育研究会研究誌の編集主幹を1986年から務めるアンドレ・フィリップ氏に協力を求めた。学習不振児の教育部門が障害のある子どもを受け入れるに至る歴史的な背景に踏み込んだ検討の必要性、訪問すべき機関、対象者の具体的な検討を行った。これに合わせて、現地の自閉症者の社会統合、学習障害・知的障害の教育に関するカンファレンスに参加して情報収集を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、渡航回数が1回となり、訪問調査に遅れが生じた。その一方で、テキスト分析のシステム準備、関連資料の収集と重要資料の仏訳、和訳、データの入力を進めることができた。次年度は、協力者のフィリップ氏との協議で検討した訪問調査を着実に実施するスケジュール管理行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
テキストデータの分析システムの準備、基礎資料が整ったことから、初年度に遅れのあった訪問調査を重点的、計画的に実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該助成金は、本年度に実施できなかった訪問調査の旅費として使用する計画である。
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