研究課題/領域番号 |
24402050
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
棟方 哲弥 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 総括研究員 (70229938)
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研究分担者 |
田中 良広 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 総括研究員 (70392933)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | フランス / 教育学 / 特別ニーズ教育 / インクルージョン |
研究概要 |
本年度は、国内におけるWebサイト、法令データベースによる基礎資料の収集に加えて、現地への渡航による教員、コーディネーター、保護者、児童生徒、学校管理者、視学官へのインタビュー(倫理規定に基づいた承諾書による)、国立障害・適用教育高等研究所(INS-HEA)の資料センターに保管された文献調査を実施した。インタビューの実施と、内容の解釈は、研究協力者である INS-HEAの名誉教授でフランス中等教育段階職業教育研究会研究誌の編集主幹であるアンドレ・フィリップ氏に助言を受けることができた。インタビューの一部はテキスト化して、インタビュー対象者が現状の教育システムに対して持っている肯定的意見と否定的意見を分類するための、テキストの定量的分析の準備を行った。学業不振児の教育機関については、地方とパリ近郊の同種の教育機関を複数訪問したことで、国の法律のもとに行われる教育の地域格差やそれぞれの機関における独自性の許容範囲なども見いだされた。文献調査では、学習不振児の中等教育の成立の過程について、当時の通常教育システムの改革(例えば、義務教育年限の延長)との関連などが明らかになった。 上記の一部を" Where should we go after the ratifications of CRPD? : Japan and France "として、CEC(Council for Exceptional Children)とポルトガルのMinho大学の共催で2014年7月14-17日に開催される国際学会で発表予定である(1月14日発表受理済)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、渡航回数が4回となり、初年度に比べると訪問調査を順調に進めることができた。また、実際に行ったインタビューに加えて、研究協力者を通じて、インタビュー(フランスで公刊)のテキストデータの提供をうけたことで、分析データの充実につながった。次年度は最終年度であり、シンポジウムなどの準備を年度開始の早い時期に行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度~平成25年度に得られたデータに加えて,現地調査の聞き取り数を増やして精度を高めるとともに,テキストマイニングツールによる肯定的意見と否定的意見,中立な意見を分類するなど,それぞれの立場におけるフランスのインクルーシブ教育への評価について検討する。また,これまでのインタビューの参加者へ分析内容のフィードバックを行った後,フォーカスグループインタビューを実施する。文献,統計データの収集分析は継続し,平成25年度に受理されたポルトガルでの学会発表,研究成果の報告等に加えて協力者を招聘したシンポジウムの開催など,研究成果の公表と普及を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に予定していた渡航について,スケジュールの調整の必要から,次年度に実施することにしたこと,並びに,インタビューデータのテキスト化について,元データの整理をする都合上,次年度に実施することとしたため。 昨年度の年度末に予定していた渡航について,本年度に実施する。並びに,インタビューデータのテキスト化について,元データの整理を終えた段階で本年度に実施することとする。
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