研究課題/領域番号 |
24402050
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
棟方 哲弥 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 総括研究員 (70229938)
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研究分担者 |
田中 良広 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 総括研究員 (70392933)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 特別支援教育 / フランス / ベルギー / インクルーシブ教育 / 海外調査 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
フランスは2008年の教育法典の改正において「すべての障害のある子どもが居住地に最も近い通常学校に学籍を登録すること」として、2010年2月18日に国連障害者権利条約を批准した。そして統計上、年々多くの児童生徒が通常学校へ通うようになった。しかし、中等教育段階では、フランス全体でインクルージョンされた障害の児童生徒の約26%が全体としては2%程度のシェアしかない学業不振児のための教育部門に入学している。本研究では、この実態調査を中心として、法律や表面的な統計から明らかでない実態としてのフランスのインクルージョン教育の全体像(俯瞰図)を明らかにすることを目指している。 本年度は、Braga 2014: Embracing Inclusive Approaches conference in July, 2014において、研究成果の一部を報告したが,本年度に,フランスの障害児者の一部がベルギー王国フランス語圏共同体へ越境入学するという事実が新たに判明した。この内容は、その後、フランス国営テレビで取り上げられるに至る。フランスのインクルーシブ教育の全体像を把握することを目的とする本研究課題を進めるにあたり、この実態調査が不可欠と判断し、同共同体教育大臣特別教育補佐官に協力を求め現地調査を実施することにした。ブリュッセルとリエージュにある特別学校(同国の8種別の特別学校のうち7種別を含む6校)を訪問した。そこでは、発達段階別のクラス編制,多様な指導の工夫,重度重複障害児への教員による指導体制など、フランスとは異なる就学の実態が確認された。また、フランス障害児を同共同体が無償で受け入れる現状や、保護者の期待の内容、さらに、今後は、何らかの形でフランスから就学経費を受け取る方策も検討しているとの情報を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のベルギーにおけるフランス障害児の越境に関する実地調査の調整に時間を要したことから,年度中に計画していた総括シンポジウムを次年度に延期せざるを得なくなった。このため年度末に補助事業期間延長承認申請を行って受理された。次年度は、調査のまとめとして総括シンポジウムを開催する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,補助事業期間延長承認申請を行うこととなったが、ベルギーへの越境就学の事実は、これまで学会等でも報告されておらず、本研究が目的とするフランスのインクルーシブ教育の全体像を把握するために不可欠な調査対象であったと考えている。最終的な成果の報告が1年延期される一方で、新しく重要な知見を加えた報告をすることができる。年度末に行った期間延長申請が受理されたことで研究のまとめと総括シンポジウムの開催が実現するが、現地の研究協力者と十分に協議を重ねながら、同国、そして我が国の今後のインクルーシブ教育システムの構築に寄与する研究のまとめが必要と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に入り別用務で訪問したベルギー王国フランス語圏共同体における聞取り調査から、フランスの障害児者の一部が同共同体へ越境入学するという事実が新たに判明した。この内容は、その後、フランス国営テレビで取り上げられるに至る。フランスのインクルーシブ教育の全体像を把握することを目的とする本研究課題を進めるにあたり、この実態調査が不可欠と判断した。その一方で、この調査が日程調整等の理由から年度末になり、本年度中に計画していた総括シンポジウムを次年度に延期せざるを得なくなった。このため年度末に補助事業期間延長承認申請を行って受理された。
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次年度使用額の使用計画 |
研究のまとめとして,研究協力者を招聘する総括シンポジウムの開催を実現する。招聘旅費,会場費,公開とするために通訳謝金等を要する。現地の研究協力者と十分に協議を重ねながら、同国、そして我が国の今後のインクルーシブ教育システムの構築に寄与する研究のまとめとする。
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