本研究は海外学術調査研究である。フランスの学業不振児教育部門における障害のある児童生徒の統合教育が、通常学級へのインクルーシブ教育進展の流れの中で、結果として2重の分離教育を生じさせている状況を明らかにした。1989年に障害者の定義変更があり、それまでの軽度知的障害者は、障害者でなく「学習不振児」となった。このため当該部門は、障害者の教育部門から通常学校へ変更されたが、教育の場の分離は継続されたため、このような状況が生じたものであった。合わせて、重度の知的障害のある子どもたちの一部がベルギーへの越境就学の対象となっていた事実を確認した。
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