研究課題/領域番号 |
24403002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柿川 真紀子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10359713)
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研究分担者 |
牧 輝弥 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (70345601)
小林 史尚 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (60293370)
張 代洲 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (90322726)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バイオエアロゾル / 遺伝子の水平伝播 |
研究概要 |
大気上空は低温、乾燥のほか強い紫外線に曝される環境であるが、近年、上空数kmの高度を中国から日本へ飛来してくる黄砂粒子にも細菌やDNAが存在することが明らかとなってきた。また、細菌ゲノムDNAには溶原ファージ(ウイルス)が共生しているものやトランスポゾンなど可動性DNA因子を含むものが多い。これら可動性DNA因子は、紫外線により活性化され、種を超えた生物間の遺伝子の移動(遺伝子の水平伝播)を引き起こし、親から子への垂直方向の遺伝のみに比べて生物の多様性(進化)に影響を与えるといわれている。そこで本研究では、自由大気圏を長距離移動するエアロゾルを中国の敦煌市(タクラマカン砂漠の東端に位置する)上空と日本上空で採集し、rDNA配列による微生物種の同定と、溶原ファージのDNA組換え遺伝子(integrase)やトランスポゾンの組換え遺伝子(transposase)配列により遺伝子の水平伝播における大気バイオエアロゾルの影響を明らかにすることを目的としている。 本年度は中国敦煌市と石川県西岸沖の上空にて大気エアロゾルを採集し、培養過程を経ず直接エアロゾルからDNAを抽出し、rDNA解析による生物種の同定を進めた。 このDNA抽出では、今年度購入のFastPrep24の使用により菌類のビーズ破砕処理を行うことができ従来よりも効率よく抽出することが可能となった。 また、可動性DNA因子の組換え遺伝子integrase解析のため、増幅用プライマーの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大気エアロゾル発生源の中国および沈着地域の日本、石川県西岸沖でのエアロゾルを採集し、DNAを効率よく抽出できた。rDNA遺伝子解析を進めており、interrase遺伝子解析のための増幅プライマーの検討も行った。
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今後の研究の推進方策 |
大気のエアロゾル採集に係留気球を使用しているが強風など天候によっては実施不可能となるため、中国では砂漠周辺の岩山上でエアロゾル採集することも検討する
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次年度の研究費の使用計画 |
物品の納入価が下がったため残額は翌年度の研究費と合わせて消耗品費として使用予定
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