研究課題
本研究の目的は,インドネシア国スマトラ島北西部においてGPS観測,地震観測,変動地形調査を実施し,2004年スマトラ沖超巨大地震に伴う余効変動の収束過程と,内陸スマトラ断層における新たなひずみ蓄積過程を解明することである.平成27年度は6月前半に1名が変動地形調査を,9月後半に4名がGPS観測と地震観測を実施した.観測には現地シアクアラ大学の全面的協力を得た.これらは前年度までの作業を継続するものであるが,今年は最終年度の4年目にあたることもあり,観測網の一部の整理を行った.2005年以降GPS連続観測を継続していたシアクアラ大学構内の観測点が校舎建替工事のため移転を余儀なくされ,別の建物に新観測点を設営した.スマトラ断層沿いに点在するその他の10点のGPS臨時観測点においては,従来通りそれぞれ2-3日間の観測を行った.3点で実施していた地震観測に関しては,現地機関の地震観測網の充実に伴いその役目を終えたと判断し,機材を撤収した.変動地形調査においては,1ヶ所でトレンチ掘削調査を実施し,過去3回の断層活動履歴を認定した.また2ヶ所においてクリープ測定を行い,年間数mmの断層変位を確認した.地殻変動の進行や地震活動の推移,トレンチ調査で採集した試料の年代測定など,研究課題はまだ残されているものの,最終年度としての研究のとりまとめを行った.国際測地学会が発行するSymposia Seriesに本研究全体に関する内容を紹介した論文が平成27年10月にオンライン発行となった.また,スマトラ断層のクリープ測定結果を日本地質学会(9月,長野市)で発表した.さらに,スマトラ断層に連続して発生した地震のメカニズムをGPS観測に基づいて解析し,Earth Planets, and Space誌に投稿した(平成28年4月にオンライン発行となった).
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Earth, Planets and Space
巻: 68 ページ: 1-8
10.1186/s40623-016-0427-z
International Association of Geodesy Symposia
巻: 145 ページ: 1-8
10.1007/1345_2015_200