研究課題
基盤研究(B)
本研究は、地上大気光観測イメージャを設置し、国際宇宙ステーションからのISS-IMAPミッションによる観測との同時観測を行う事により、異なる地域の対流圏活動が中間圏やさらにその上の熱圏に与える影響を観測的に解明する事を目的とする。また、地上観測と宇宙からの観測との同時観測により、宇宙からの観測データの校正をする事も目的とする。本年度は、ISS-IMAPミッションによる観測を開始し、地上観測としては東北大学ハワイ・ハレアカラ観測所に大気光観測イメージャを設置し宇宙空間と地上からの中間圏変動の同時観測を開始した。ISS-IMAPミッション観測機器は2012年8月に国際宇宙ステーションに設置され、初期動作確認の後に10月から連続観測を開始した。VISI(可視近赤外分光撮像装置)から得られるOH帯、762nm、630nmの大気光と、EUVI(極端紫外線撮像装置)から得られる水素イオンと酸素イオンからの共鳴散乱光のデータについて、感度補正、観測パラメータの最適化、視野算出などの校正作業を進めた。ISS_IMAP/VISIは、前後にそれぞれ一つずつの視野を持つため、その2視野のデータを用いる事でステレオ観測が可能である。地上大気光観測イメージャについては、冷却CCDと光学フィルターレンズを用いた大気光観測用のイメージャを作成した。感度校正を行った後、2013年3月に東北大学ハワイ・ハレアカラ観測所に設置しOH帯、557.7nm,630.0nmの大気光観測を開始した。
2: おおむね順調に進展している
地上観測の開始が若干遅れたが、計画通りに、ISS-IMAPによる宇宙空間からの観測と大気光観測イメージャによる地上からの観測を開始する事が出来、両者とも順調に観測を実施している。
平成24年度に継続して、中間圏変動のISS-IMAPによる宇宙空間からの観測と大気光観測イメージャによる地上からの観測を行う。地上観測としては東北大学ハワイ・ハレアカラ観測所からの観測を行う。
地上観測の開始が計画より若干遅れ、2013年3月となったためと、ISS-IMAPデータの校正作業の遅れから次年度使用額が生じた。本年度に地上観測、ISS-IMAPデータ校正作業の両者を継続して行う。
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