研究課題/領域番号 |
24403009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
佐藤 毅彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (10297632)
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研究分担者 |
藤本 正樹 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (30242811)
鍵谷 将人 東北大学, 理学研究科, COEフェロー (30436076)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 木星磁気圏 / オーロラ / 太陽風 / リコネクション / 赤外線観測 |
研究概要 |
24年度は3回ハワイ大学ヒロ校(UHH)を訪れた。第一回(6月)は、NIIHAMA赤外線カメラで使用するための真空ポンプ(物品費で購入)を現地に導入し、その動作確認を行った。軽量コンパクトなポンプながらNIIHAMA真空容器の容積に対しては十分な性能をもち、山頂天文台への輸送も容易であることを確認できた。第二回(11月)は、UHH望遠鏡の新ディレクターPierre Martin博士と会い、望遠鏡のステータスについて詳細な説明を受けディスカッションを行った。UHH望遠鏡の光学系は再整形をぶじ完了したものの、望遠鏡架台部分やドームにも少なからぬ問題があり、その解決に長い時間と多大な費用を要しそうだという内容であった。UHHのあとマウイ島に移動し、天文学研究所(IfA)のJeff Kuhn博士と会いディスカッションを行った。その成果として、UHH望遠鏡が本格稼動を開始するまでの間、IfAがハレアカラ山頂に設置しているSOLAR-C望遠鏡にNIIHAMAカメラを装着し木星オーロラ観測を実施させてもらえることとなった。SOLAR-Cは口径こそ50cmと小さいものの、軸外しグレゴリアン型の反射望遠鏡であり、光路中に障害物をもたない。そのため、高いコントラストをねらったり熱雑音が気になる赤外線観測には有利な構造となっている。この合意を受け、NIIHAMAカメラに若干の改造が必要となったため、第三回(25年2月)のUHH訪問を行いカメラ一式を日本へ輸送する作業を行った(もともと、本観測終了後に一時カメラを日本に戻し、細部の改修・金星観測用フィルターのインストールなどを行う、という計画であった)。オーロラと密接な関連があると思われている木星極域ヘイズの偏光モニターを行うため、飛騨天文台を訪れデータを取得した(5月、8月、10月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ハワイ大学ヒロ校(UHH)のHokuKea望遠鏡のパフォーマンスが当初想定よりもずっと悪いことが判明し、UHH側で望遠鏡の改修作業に入るという不可抗力によるものである。当初予定の2012年末の木星観測はこのためキャンセルせざるを得なかった。UHHに置いてあったNIIHAMAカメラ・システムー式を2013年2月に日本へ再輸入している。
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今後の研究の推進方策 |
Hoku Kea望遠鏡不調をリカバーするため、マウイ島ハレアカラ山頂のSOLAR-C望遠鏡を用いた観測に計画変更する(マウイの天文学研究所とは交渉済み)。望遠鏡変更に伴い必要となるカメラ改修作業を2013年夏までに完了し、秋にカメラ・システム輸出、冬の木星観測期をのがさずにデータ取得・研究を実施する。
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