研究課題/領域番号 |
24403010
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
辻森 樹 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (00436833)
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研究分担者 |
太田 努 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助手 (80379817)
小林 桂 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (20325129)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大陸地殻 / タンザニア地塊 / 原生代造 / 古原生代エクロジャイト / ジルコン年代学 / 野外地質学 / 変成岩岩石学 |
研究概要 |
本研究はタンザニア地塊外縁造山帯(太古代タンザニア地塊を取り囲む原生代造山帯) について、タンザニア地塊から原生代造山帯を横切って汎アフリカ造山帯に至る横断線の地質精査を行い、採集した岩石試料に先端的な地質年代学・岩石鉱物学・同位体地球化学の分析技術を応用することで、大陸地殻の改変と構造侵食の実像を読み解く。同造山帯に保持された約20億年前の沈み込みから原生代造山帯の一部が汎アフリカ造山運動(約5億年前)によって改変されるまでの約15億年間の地質現象を読み起こす。 研究2年目(平成25年度)はタンザニア西部のウベンディアン-ウサガラン造山帯において2度目の野外地質調査と試料採集を行った。特にタンザニア地塊外縁造山帯の古原生代エクロジャイト相変成岩を含む変成岩岩体と、新始生代・古原生代の花こう岩体について、原生代造山帯を横切る横断線に沿った岩石試料の採取を行った。岩石試料については岩石薄片を作成し,偏光顕微鏡-電界放出形走査電子顕微鏡/電子プローブマイクロアナライザ-顕微ラマンを主とした岩石学的・鉱物学的な記載を行い、それを継続中である。さらに、古原生代造山帯発達様式を一般化するため、顕生代以降の地質帯についても比較研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンザニア西部の野外地質調査は、急激な円安と石油価格の高騰によって、現地での移動可能な範囲に一部、影響が生じた。また、現地の野外地質調査は、天候に左右されがちである。特に降雨による道路の寸断など、現場では、常に調査計画の微修正が必要になる。しかしながら、現地の研究協力者との十分な打ち合わせと協力があり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、引き続き、太古代タンザニア地塊を取り囲む原生代造山帯の構成岩類から読み解く時間-空間-原岩-温度・圧力-化学組成情報に基づき「太古代安定地塊が完全に消滅せずに大陸地殻内部に保存される」様式を、定量的に評価していく。また、本研究を通して造山帯研究のための総合解析型ジルコン学の確立を目指す。
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