研究概要 |
当該年度は陸上高等植物由来のバイオマーカーであるn-alkaneの炭素・水素同位体比分析,の準備のため,質量分析装置の調整や標準試料を用いた分析精度の確認などを進めた.また粘土鉱物分析,微量元素分析についても手法の検討を行った.現地調査は,2月末~3月上旬にかけて,根本俊文(代表者の指導博士課程学生)とニュージーランド研究協力者のJames Crampton氏により,現地で約10日間試料採集を行った.同国南島北部Sawpit Gullyの砂質泥岩約60mの層位範囲を対象とし,予定通り最重要範囲の15mは10cm毎(ないしそれ以下の間隔で,ほぼ連続的に)の詳細試料採取ができた(総計200以上).高い解像度を実現するうえで非常に意義がある. また11月と3月にカナダ・バンクーバーにてJimHaggart氏と研究打ち合わせを行い,11月にはバンクーバー島周囲のHornby島などで試料採集も行った.3月中旬以降,長谷川は守屋と共に別経費による派遣者としてそれぞれカナダ地質調査所太平洋支部,およびブリティッシュコロンビア大学に滞在し,現地研究者と議論をしつつカナダでの地質調査・サンプリング計画を具体化させている. ニュージーランドの研究対象地については,すでに保有していたデータをもとに検討を進めて,長谷川,福士,Crampton氏が中心となり,国際誌(Cretaceous Research)に論文を公表するに至った(Hasegawa, et al., 2013).
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次年度の研究費の使用計画 |
長谷川は別予算による派遣事業でバンクーバーに滞在するので,主要な予算は研究協力者の人件費に充て,調査・分析を担当させる.その他は,現地調査に係る旅費(長谷川,守屋,および現地研究者),金沢大学における分析に係る消耗品,試料運送費などに充当する.
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