研究課題/領域番号 |
24404006
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中井 智司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80313295)
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研究分担者 |
鈴木 淳 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (60344199)
長尾 正之 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (70251626)
陸田 秀実 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80273126)
作野 裕司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20332801)
奥田 哲士 広島大学, 環境安全センター, 助教 (60343290)
井上 麻夕里 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20451891)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 鉛汚染 / 汚染履歴 / リモートセンシング / 生物モニタリング / サンゴ |
研究概要 |
2013年にドミニカ共和国ハイナ川河口域より採取された塊状サンゴの骨格試料について、今後の精密測定に向けて、まずは鉛を含む重金属元素類の濃度レベルを把握するための測定を実施した。試料はMQ水による超音波洗浄の後、骨格粉末試料10mgを2%硝酸溶液10mLに溶解し、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS,Agilent 7700)を用いてV, Cr, Mn, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Ba, Pb, Uの11元素の計測を行った。測定の結果、鉛については100ppb以下とこれまで太平洋の塊状サンゴ(Porites spp.)について報告されている値と同程度の濃度レベルが確認でき、その他の元素についても概ねこれまでの報告値と同程度であることが分かった。 2012年度までに開発した衛星(ALOS)によるハイナ川河口部のクロロフィルa濃度(Chl-a)および懸濁物質濃度(SS)マッピング手法を2013年9月の現地調査(分光反射率/水質データセット取得)によって検証した。その結果,ハイナ川付近のChl-aはALOS Band3(赤)とBand4,SSはALOS Band4によって定量可能であることが検証され、これにより 継続的に衛星による汚染物質の流動の一端をモニタリングすることができるようになった。 一方、シミュレーションモデルについては、カリブ海沿岸を対象とした海洋環境シミュレーションモデルの整備を行った。特に、ハイナ川河口域におけるカリブ海周辺の地形・境界条件の設定を行った。また、重金属(鉛など)の移流拡散シミュレーションプログラムを追加し動作確認を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リモートセンシングとモデルについては、順調に進展している。但し、サンゴ試料を分析した結果、過去に鉛汚染が申告となった時期を含んでいない可能性があった。従って、概ね順調とした。
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今後の研究の推進方策 |
大型塊状サンゴを採取し、鉛を分析することで鉛汚染の実態を推定する。 陸域および底デイからの鉛負荷の予測を行い、沿岸環境の環境改善状況を予測する。
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次年度の研究費の使用計画 |
好適なサンゴ試料が採取できず試料分析の進展に遅れが生じた。また、研究発表の予定も一部遅れが生じた。従って、 物品費、旅費、人件費・謝金、その他に未執行分が生じた。 未使用分を使用し、研究計画の遅れを挽回する。
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