研究課題/領域番号 |
24404011
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
矢田部 龍一 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (70127918)
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研究分担者 |
安原 英明 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70432797)
N.P Bhandary 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (10363251)
長谷川 修一 香川大学, 工学部, 教授 (00325317)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 防災教育 / ヒマラヤ水系 / 地すべり / 総合防災 / 地震防災 |
研究概要 |
昨年度に収集した各種の収集データや調査データなどをもとに地すべりやカトマンズ盆地のち地下水GISデータベースを構築した。 カトマンズ盆地の水収支の経年変化について、地下水位の現地観測結果や既存の各種観測データを用いて整理し、検討を行った。また、水質の経年変化について現地調査結果や既存の観測データを元に詳細な整理と解析を行った。これらの各種のデータを元に、カトマンズ盆地の水資源と水環境に関わるGISデータベースを構築した。次いで、構築したGISデータベースを用いて、カトマンズ盆地の帯水層の脆弱性評価を行った。評価には3つのモデルを用いた。一つは、広く活用されているDRASTICモデルである。それ以外に、このモデルを改良した2つのモデルを提案し、その妥当性を検討している。提案したモデルはGIS解析を基にした2層ファジーパターン認識モデルと、もう一つはGIS環境を用いたファジールールによるモデルである。研究成果は論文として公表した。 また、ネパールにおけるソフトな地震防災対策の総合的な構築と実施、そして効果の評価を行った。具体的には、地域ならびに学校防災教育の展開、家屋の耐震補強法の開発と全国的普及、ネパール政府やUNDPなどと連携したネパール政府防災計画の策定について検討した。これらの研究成果は論文として公表した。 その他、ネパールの地すべりや地震ハザードの解析を行い、論文として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進んでいる。発展途上国では、基礎的なデータの収集が困難なことが多い。その課題を克服するために、大学関係者やNGO、また政府の防災関係者や政治家など、多くのネットワークを構築して既存のデータの収集と現地調査によるデータの収集に努めた。これらの各種データをもとにGISデータベースを構築し、解析を行った。その結果、多くの研究成果が得られ、昨年度だけでも国際論文誌への掲載論文が20編を超えている。また、国際シンポジウムでの発表論文も10編近く、研究成果は着実に上がりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
ヒマラヤ地域の地震防災や地滑り防災に関して、科学研究としての研究成果はかなり出てきている。今後は、これを実務面で役に立てることができるように、国際ヒマラヤ地すべり学会の設立やヒマラヤ環境保全NGOの設立、またネパール政府との連携を通して、より具体的な防災研究の展開を図る。もちろん、すでに構築している各種の防災GISデーベースは一層充実させ、解析結果をまとめて、多くの国際論文として発表する。また、途上国の地すべりや地震災害に関わる解析を進め、災害の発生機構や予測の研究も進める。
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