研究概要 |
平成24年11月にインドネシア・スラバヤにおいて詳細な現地踏査を行ったところ,現地の河川を所管する行政機関であるBPLS(Badan Penanggulangan Bencana Sidoarjo-Sidoarjo Disaster Recovery Agency,およびBBWS Brantas(Brantas River Cathments Agency)において多くの現地データが取得されていることが判明した.特に1ヶ月毎にポロン川における河床データが取得されている点は特筆すべき点である.そこで,昨年度の計画を変更し,現地調査を実施せずに現地資料の入手,およびその解析に力を注ぐこととした.現地河床データの解析によれば,泥火山噴出物のポロン川への流入に伴い,顕著な河床の上昇が見られるものの,雨期に河川流量が増加するにつれて掃流力が増し,河道内の堆積物は流送されてしまい,河床が低下することが判明した. このような昨年度の既存資料の検討結果から,河道部については十分な測量資料があるものの,河口部における測量データの不足が明らかになった.また,河川河道部・河口部における水質データの不足が判明した.このことから,平成25年度の研究においては,特にこの二つの項目に注力して研究を進める予定である. なお,平成24年度にはスラバヤ工科大学において研究成果の発表を行い,多くの参加者が出席した.これより,現地においては,この問題に強い関心を寄せる研究者・行政関係者が多く存在していると予想される.
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