研究課題/領域番号 |
24404014
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 仁 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30171755)
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研究分担者 |
真野 明 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (50111258)
有働 恵子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80371780)
梅田 信 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10447138)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ポロン川 / インドネシア / 泥火山噴出 / 河床 / 河口 / 水質 / 国際情報交換 |
研究概要 |
平成25年11月にインドネシア・ポロン川流域において大規模な現地調査を行った.観測はポロン川河口付近から約2km間隔で地点を設定し,多項目水質計を用いて,水温,塩分,濁度,DOの測定を行った.また,エクマンバージ採泥器を用いて底質を採取した.ただし,河道内の水深が上流部で浅くなっており,調査船の遡上が出来なかったため,最上流の観測地点は,泥火山噴出物の流入地点から約3km下流の範囲となった.従って,観測範囲は河口付近を含め約18kmの延長であった.水温は概ね30℃を超えるような値で,全地点,全水深で一様な分布であった.塩分は最下流の低層で25程度となっている.塩分の混合形態としては弱混合河川であった.溶存酸素については貧酸素の発生が顕著であった.これは,塩水くさび内での流れが滞留していることや,泥火山から排出された土砂の酸素消費量が大きいことが原因と推定される.底質粒径については,上流ほど細粒になっている.なお,対象地は雨期と乾期の比較的明瞭な季節区分がある中で,まだ一回の調査結果のみであるため,調査データの蓄積が望まれる. また,現地の河川を所管する行政機関であるBPLSおよび BBWS Brantasにおいて多くの現地データが取得されていることから,これらの期間からデータを入手し,解析を行った.これより,現地河床データの解析によれば,泥火山噴出物のポロン川への流入に伴い,顕著な河床の上昇が見られるものの,雨期に河川流量が増加するにつれて掃流力が増し,河道内の堆積物は流送されてしまい,河床が低下することが判明した. なお,平成25年11月にはスラバヤ工科大学において研究成果の発表を行い,多くの参加者が出席した.この問題に強い関心を寄せる研究者・行政関係者と有意義な意見効果を行うことが出来た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定通り現地調査を実施することが出来,貴重な現地資料を入手した.また,現地行政機関から長期にわたる詳細な河床データを入手し,詳細な解析を行った.これより,概ね順調に進行していると言える.次年度も現地調査を行い,資料の蓄積を図ることとしたい.
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今後の研究の推進方策 |
今後の遂行計画に変更は無い.昨年度の河床データの解析により,泥火山噴出土砂の河道内堆積状況および洪水時のフラッシュ状況が確認され,河口部の堆積に関する調査を中心に実施する予定である.また,現地訪問時にワークショップを開催し,現地の技術者・研究者との交流を行い,本研究の成果を現地に還元することとする.また,論文の公表も積極的に行うこととする.
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次年度の研究費の使用計画 |
現地の行政機関より現地資料を入手したことから,調査の内容を計画に比べ若干縮小した.ただし,成果については当初想定した結果を得ることが出来ており,支障は無い. 次年度は最終年度であり,大規模な現地調査を実施する.これにより,予定通り支出を行う予定である.
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