研究課題/領域番号 |
24404016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
日比野 忠史 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50263736)
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研究分担者 |
中下 慎也 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90613034)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 釜山新港 / 竜院湾 / ヘドロ浄化 / 石炭灰造粒物 / 技術移転 |
研究概要 |
本研究では日本において先行して行われている効果的な底質環境改善技術を対象海域での効果が期待できる手法に改良し、外において事業化するための方法を検討した。韓国において底質環境改善を事業化することを目指して、限られた現地調査結果を有効に活用し、概に詳細な分析が行われた瀬戸内海周辺底泥と比較することで釜山新港(竜院湾)の底質悪化の状況を明らかにした。さらに、数値計算により新港奥海域での特有な流れ場を把握し、室内実験結果と併せて、対象海域における施工場所の決定、底質環境改善技術による効果を見積もることで、竜院湾において最も成果のあがる浄化法を提案した。これまでの成果をまとめると以下のようになる。 (1)竜院湾底泥を構成する有機物は燃焼特性、分解度に対する含水比より呉湾底泥と同様に一次生産起源の有機物であり、福山底泥のように生活排水の影響は小さいことが推定された。3年間の底質の調査より、底泥は汚濁傾向にあり、さらにC/N比が大きく変化していることから、堆積する有機物が動物性の有機物から一次生産に変化していることが推定された。 (2)竜院湾中央部の底層では高濁度水塊が発生し、濁水塊は外海へは流出は少なく、西部海域入口の狭窄部を通過し、西部海域奥部に輸送されていることが明らかになった。 (3)石炭灰造粒物層内では流速は層上の約20%に減衰し、造粒物層の濁質の捕捉割合は16.8%~54.6%である。数値実験結果より西部海域入口の狭窄部に造粒物層を施工した場合、流入する濁質は16.8%~54.6%捕捉できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
適切な計画が立案されているため。また韓国側においても本計画に基づいた研究が採択され共同実施が容易になった。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に基づき研究を進める。次年度に計画した現地実証実験では西部海域入口の狭窄部付近に石炭造粒物による盛土(30m×30m)およびヘドロ浄化を促進するためのヘドロ燃料電池を設置できるように詳細計画を立案する。
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次年度の研究費の使用計画 |
値引き等により500円程度の残額が生じた。残額は次年度の調査に必要な消耗品等にあてる。
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