研究課題
申請した研究計画に沿って (1) 準備会合を経て運営委員会を設置,(2) 既存の物理探査データの解析とコア採取候補地点の選定,(3) フィールド調査計画(日程,参加者,作業内容等)の作成を,いずれも海外共同研究者および国内連携研究者とおこなった.調査船および湖底堆積物採取用重力コアラーも,研究計画に沿って準備をおこなった.これらの計画および準備に基づき,ククイキャニオンおよび比較のためのシープ域を対象に物理探査(マルチビーム)三次元マップで明らかになったマウンド/泥火山でコア採取をおこなった.その結果,新たに2カ所でメタンハイドレート(MH)を産するサイトを発見した.MHを含む約3 mの湖底表層堆積物コア試料は,重力コアラーを用いて採取に成功した.採取後の堆積物コア試料は調査船内で直ちに縦に二分割し,MHは直ちにMH解離水採取実験に供する部分とMH結晶解析等に供する部分(液体窒素温度で保存)に分けて保存した.間隙水は,堆積物コア試料を現場で遠心分離して採取した.間隙水溶存ガスは,堆積物をバイアルビンに採取・密栓し,気相ヘッドスペースから採取した.調査船内および陸水学研究所(イルクーツク市)において,湖底堆積物試料の土質試験をおこなった.いずれも,交付申請書に記載した計画に沿った実施を達成した.これまでにククイK-9泥火山で採取したMH水等の測定結果より,MHが湖水および堆積物間隙水とは異なる水から生成したことを初めて明らかにし,生成起源水が堆積物深部から湧昇した可能性を示した.次年度以降の調査結果とあわせて,生成環境を明らかにして生成機構を解明することが期待される.
2: おおむね順調に進展している
申請した研究計画に沿って (1) 準備会合を経て運営委員会を設置し,(2) 既存の物理探査データの解析とコア採取候補地点の選定,(3) フィールド調査計画(日程,参加者,作業内容等)の作成を,いずれも海外共同研究者および国内連携研究者とおこなった.調査船および湖底堆積物採取用重力コアラーも,研究計画に沿って準備をおこなった.調査を実施した結果,新たに2カ所でメタンハイドレートを産するサイトを発見できたこと,採取された試料の測定で新たな知見が得られたことから,交付申請書の目的の達成度はおおむね順調に進展しているといえる.
平成26年度以降のメタンハイドレート調査候補地点(マウンド/泥火山およびシープ)を決定し,堆積物コアの採取を実施する.採取試料の化学解析(ガス,水等試料)・同位体解析(ガス,水等試料)・土質試験および物理探査を行う.堆積物中でのガス・水・泥の起源の考察をおこなうとともに,それらの堆積物中および間隙水中での移動・混合とMH産状との関係より深部構造の把握を試みる等,当初の申請研究計画に沿って推進する.
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (14件)
Geo-Marine Letters
巻: 34 ページ: 241-251
DOI 10.1007/s00367-014-0364-4