研究課題
交付申請書に記載した研究目的および研究実施計画に沿って、(1)平成27年度の研究調査に関する準備会議を電子メール会議として実施して運営委員会を設置した。その後、(2)これまでの調査で得られた物理探査データ、コア採取地点位置情報、そしてコアの化学分析および土質試験結果より得られた特徴などを合わせて平成27年度の物理探査およびコア採取候補地点の決定をおこない、これらに基づいて(3)フィールド調査計画案(調査船の傭船日程、事前準備の日程、各機関からの参加者、作業内容等)について、海外共同研究者(ロシアおよびベルギー)および国内共同研究者(北見工業大学)を決定した。これらの研究計画に基づき、平成27年8月16日から8月25日まで、ロシア連邦バイカル湖のククイキャニオン域および比較参照のための湖底泥火山域および湖底シープ域において、調査船を用いた研究調査を実施した。その結果、重力コアラーによってメタンハイドレート(MH)を含有するバイカル湖底表層堆積物コアの採取に成功した。平成27年度の調査では、新たに湖底の5箇所で湖底表層MH存在サイトの発見に成功した。採取後のコア試料は、研究実施計画に沿って調査船内にて直ちに前処理および土質試験を実施した。ククイキャニオンの複数サイトの堆積物中には、湖水および文献報告にあるバイカル湖表層堆積物間隙水とは異なる化学組成の水が存在することがわかった。これらの結果は、ククイキャニオンの別の泥火山におけるMH生成起源水が堆積物深部から湖底表層に向かって湧昇した可能性に関して研究代表者らが2014年に学術論文発表した機構と整合的であり、共通の機構が存在する可能性を示唆する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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