研究課題/領域番号 |
24405002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
野瀬 昭博 佐賀大学, 農学部, 教授 (80045137)
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研究分担者 |
鄭 紹輝 佐賀大学, 農学部, 准教授 (90253517)
沖元 洋介 佐賀大学, 農学部, 特定研究員 (70598812)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マングローブ / ガス交換 / CO2固定予測モデル / 森林管理モデル |
研究概要 |
調査はインドネシア共和国リアウ州スンガイアサム(00°42'S、103°18'E)のRhizophora apiculata植林群落について実施した。 対象とした群落は、申請者らが平成19-20年度にJSPSの二国間交流事業で調査した群落と同じである。当時1~5年齢だった林が5年経過した6~10年齢に成長し、今回はこれら6~10年齢の5種樹齢を対象に調査した。 林分構造:6、7、8、9、10年齢の立木群の平均樹高はそれぞれ10.8、12.4、13.7、14.3、14.2mであり、8年齢以降の伸長が小さかった。DBH(Diameter at Breast Height;胸高直径)はそれぞれ5.18、7.81、8.51、9.10、10.0cmと成長に応じて増加したが、樹高と同様に8年齢以降の増大は小さかった。生育密度は38、16、14、13、12本/25m^2であり、1ha当たりでは15、200、6、400、5、700、5、200、4、800本/haとなった。 生産構造図:今回調査した6、8、10年齢と過去に同地で調査した1~5年齢群落の生産構造図を合わせると、樹齢とともに、樹高の成長に加えて同化器官(葉と葉の芽)及び非同化器官(幹と枝)とも大きく成長していることが明らかになった。 立木バイオマス量:6、8、10年齢の立木バイオマス量は、それぞれ地上部で30.7、62.0、74.8kg/本、根は17.5、16.4、15.4kg/本で、ha当たり732、439、433 ton/haと評価され、6年齢が8年齢及び10年齢よりも約70%大きかった。T/R比はそれぞれ1.76、3.78、4.85と算出され、立木成長に合わせて値が増加した。 生長曲線の作成と年間の炭素蓄積量の評価:6種樹齢の立木バイオマス量を用いて、作成した生長曲線から、最大現存量は地上部で82kg/tree、根で21kg/tree、立木全体で95kg/treeになると推定された。10年齢以降は成長が停滞し、生長曲線の微分値で求めた年間のバイオマス蓄積量は、6~8年齢に生長ピークを迎えてこの時期に最も大きくなると示された。単立木当たりの年間のバイオマス蓄積量は、地上部が2.18~18.9kg/tree/yr、根が0.87~2.71kg/tree/yr、立木全体では2.97~24.3kg/tree/yrと評価された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定したスマトラ島での現地調査は、順調に実施でき目的とするデータを得ることができた。但し、予算の関係から2月の調査はできなかったこと、ヒマワリの圃場調査が昨夏の豪雨による被害で十分な結果が得られなかったことから、概ね順調に進展していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度10月から分担者の沖元がインドネシア・ボゴールにあるCGAIR国際林業研究所へJIRCAS国際共同研究人材育成推進・支援事業の研究員として常駐することになったことを活用した現地調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ヒマワリ栽培試験用の種子等の購入、スマトラ島への調査旅費等を計画している。
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