研究課題/領域番号 |
24405005
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
川端 良子 東京農工大学, 国際センター, 准教授 (40334479)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 環境分析 / 中央アジア / 水環境 / 食物連鎖 / 大規模灌漑農業 / ウズベキスタン共和国 / キルギス共和国 / ホレズム州 |
研究概要 |
世界の多くの乾燥地域の灌漑農地で、毛細管現象による塩害を防ぐために表層より5mぐらい深く灌漑排水は掘られている。しかし、多くはコンクリートによる表面加工されていない水路である。そのために、イオン濃度の高い灌漑排水は、表層地下水と混合する。 一方、これらの地域では、主に地下水、なかでも、表層地下水を飲料水としているところが多い。また、世界の援助団体も途上国の乾燥地で、飲料水をはじめとする生活用水確保のため表層地下水を水源とする井戸を掘っている。 中央アジアの乾燥地での大規模灌漑農業による環境汚染を調査している中で、ウランなどの放射性核種や重金属の汚染が灌漑水によって拡散していることがわかった。特に、灌漑農地でより汚染がひどいことから、ひとつの原因としてリン肥料からの汚染を考えた。ウランは副産物としてリン鉱石に含まれやすい。先進国では、リン鉱石中のウランを取り除いた後リン肥料としているが、途上国の場合そうしたことがなされていないことが多い。飲料水の水質基準を満たしていない地域が多くあり、農作物によって生物濃縮し、人体に影響を及ぼす可能性もある。そこで、本研究では、放射性核種や重金属の汚染の実態解明を現地調査と衛星データから行い、人体への影響について考察し、汚染除去策の立案を行うことを目的としている。 本年度は、ウズベキスタン共和国カラカルパキスタン自治州、ホレズム州およびフェルガナ州とキルギス共和国にて水質・土壌調査および農家への水使用に関する聞き取り調査を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果を元として、アメリカ・テキサスで行われた国際学会Desert Technology IXにて発表を行った。また、これらの成果を論文にまとめ、Journal of Arid Land Studiesに投稿し、受理された。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度はウズベキスタン共和国に加え、キルギス共和国、タジク共和国でも水質調査を行い、サンプルを持ち帰り、pH、EC、主要イオン等の分析を行う。そして、これらの結果をもとに、中央アジアでの傾向を把握したいと考えている。また、2014年9月9日から13日にウズベキスタン共和国で開催されるInternational Arid Land Studies IIで研究成果を発表する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
連携研究者が学会発表をする予定であったが、締め切りに間に合わなかったため、2014年度に発表することとしたため、予算を繰り越すことにした。 2014年9月9日から13日にウズベキスタン共和国で開催されるInternational Arid Land Studies IIで、発表を行い予算を執行する予定である。
|