研究課題/領域番号 |
24405011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
櫻井 克年 高知大学, 副学長 (90192088)
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研究分担者 |
市榮 智明 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (80403872)
田中 壮太 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (10304669)
松岡 真如 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (50399325)
森 牧人 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (60325496)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | タイ / チーク植林 / 生態系修復 / 多様性 / 土壌環境 |
研究概要 |
平成24年度は、タイ国北部において王立森林局(RFD)および林業公社(FIO)が所有するチーク植林地について、調査プロットの選定と生態学的特徴付け、各種モニタリングの開始を主たる目的とし、次のように研究を展開した。6月にタイ側研究者2名を高知大学に招聘し、研究の方針や調査地について打ち合わせを行い、タイ自然研究機構(NRCT)、RFDおよびFIOに研究計画書及び実施申請書を提出した。8月には、日本側研究者全員がタイへ渡航し、タイ側研究者と共に、ランパン県のHuay Tak植林地(RFD)およびMae Moh植林地(FIO)、プレー県のKhun Mae Kummee植林地(FIO)、ナン県のMae Sakorn植林地(RFD)を視察し、調査プロットを選定した。各プロットにおいて、3反復の植生調査区を設け、チーク林構成樹種の調査を開始した。土壌調査による各プロットの特徴付けを行うとともに、土壌試料を採取した。 また、タイ側研究者がタイにおけるチーク植林の歴史や管理の変遷に関する文献調査を開始した。11月に日本側研究者が研究会議を開催し、ナン県のMae Sakorn植林地(RFD)内に傾斜度や土性の異なる固定プロットを3か所設置し、モニタリング調査などを集中的に行うことを決定した。12月にNRCTから調査許可を正式に取得した。平成25年3月に、固定プロットを中心に日本側研究者およびタイ側研究者が合同で現地調査を行い、1)乾季(3月)と雨季(8月)やチーク林内のタケ群落に着目した土壌調査・試料採取、2)チーク木の年輪解析と枝の水ポテンシャル測定、3)GISによる樹木位置測定、4)降水、土壌水分、チーク木の蒸散流のモニタリング開始、5)チーク林構成樹種の記録を実施した。平成25年3月末現在において、現地調査結果の集約および採取した試料の分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タイ自然研究機構による審査手続きと調査許可の交付が遅れたため、モニタリングの開始や2回目の合同調査の実施に遅延を生じたが、当初予定の調査項目の全てを年度内に実施することができ、またタイ側との研究協力体制を計画以上に強固に確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は順調に進展していることから、当初計画通りに固定プロットおよび広域調査区における調査や試料採取を継続し、40年にわたるチーク植林地生態系の変遷を統合的に評価する。チーク材生産に影響を与える環境要因を明らかにするとともに、生態系への影響やチーク林を放置した場合の生態系修復効果を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2回目の合同調査の実施が25年3月となったため、試料分析のための消耗品を年度内に購入できなかった。翌年度は、それらの消耗品を購入するとともに、昨今の円安を考慮し現地調査費に充当する。
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