研究課題
平成26年度は、9月~11月および2月~3月にかけて日本人研究者が渡航し、ナーン県のMae Sakorn植林地(王立森林局所管)内に設けた調査プロットにおいて、各種調査、モニタリング、試料採取を継続実施した。また、11月にタイ人研究者3名を高知大学に招聘し、成果取りまとめのための研究会議を行った。Landsatの時系列データ解析により植生指標値(EVI2)を算出し、チーク木とその他の落葉性樹種によるEVI2の季節変動への影響を明らかにした。土壌水分モニタリングを実施し、異なる斜面位置における土壌水分の季節変動や、異なる土性区分や土層深をもつサイト間での水分状態の差異を観察した。斜面下部では水分条件は良好であること、粘土質土壌であっても土層深の浅い土壌では土壌水分の変動が大きいことが分かった。年輪成長量と月平均降水量を比較したところ、土壌水分保持能の低いサイトでは、前年度の雨季初めの降水量がチーク生育に有意な影響を及ぼしていた。一方、土壌水分保持能の高いサイトではそのような関係はみられなかった。異なる斜面位置における土壌特性を調べたところ、斜面下部に比べ、斜面上部はレキ含量が高く、土層は薄く、砂含量が高かった。土壌有機物や養分量も斜面上部の方が低かったが、チーク木の生育において土壌酸性や養分欠乏は問題とはならないと推察された。一方、斜面上部のチーク木の生育は、下部に比べ明らかに劣っていた。以上のことから、雨季の降水量と、土性や土層深、斜面位置に起因する土壌中の水分利用性がチーク木の生育に重要な要因であると考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Tropical Forest Science
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