研究課題/領域番号 |
24405015
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高橋 正道 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00154865)
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研究分担者 |
久田 健一郎 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50156585)
沢田 健 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333594)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | モンゴル / 東南アジア / 白亜紀 / Mesofossils / 被子植物 / 初期進化 / バイオマーカー / クチン |
研究概要 |
前年度に引き続き、モンゴルでの野外調査を継続し, 前年度の対象地域であるシネフダク地域に加え,植物炭化小型化石が含まれていることが確認されているテブシン地域および南部ゴビ地域のツグルグ地域を調査対象とした. 調査には、モンゴル科学アカデミーの研究メンバーおよびAndrew(Yale大学)とHerendeen(シカゴ植物園)が参加し、10日間程度の野外調査とサンプリングを行った。これらの堆積岩を日本とアメリカに輸送し、Degradationとクリーニングを行った。得られた炭化化石を丹念にソーテングし、保存性の良いMesofossilsを抽出する。これらの作業は、数か月以上を要した。 9月には、モンゴルの若い研究者Tsolmonを日本に招聘し、植物炭化化石のMesofossilsの研究の処理技術および形態的技法の習得するための支援を行った。 被子植物の初期始原群の進化の解明には、東南アジア地域の試料採集地点付近に分布するジュラ紀~白亜紀堆積物の層序を明らかにすることが必要である。この調査は、マレー大学のSone准教授との共同研究として遂行した。久田は、東南アジア・インドシナ半島の調査の一環として、タイ国のナン縫合帯の地質調査を実施した。 沢田は, 野外調査によって採取された堆積岩の中から、白亜紀の陸上植物に由来するバイオマーカーを用いて, 溶媒抽出,アルカリ加水分解によって得られたアルキル脂質組成を分析した. 一部の褐炭試料からは顕著にクチン酸が検出され,白亜紀の堆積物においても生々しいクチンが保存されることがわかった.これは白亜紀の堆積物からの初めてのクチン酸の検出例である.広葉化石と針葉化石の分析結果から長鎖アルカノールは白亜紀の植物化石においても落葉広葉樹のマーカーとして応用できることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モンゴルでの野外調査が順調に進んでおり、モンゴルからの堆積岩のサンプルの送付手続きもスムーズに進んでいる。Tevshiin Goviで、極めて柔らかい岩石から構成されているレンズ状層順を発見し、こまれている、保存性のよい炭化植物化石を含んでいることが明らかにできた。Tevshiin Goviからの植物化石の研究は、論文として発表され、今後、かなりの成果をまとめ上げることができると確信している。この研究の共同研究者であるエール大学グループは、シダ種子植物や裸子植物の種子化石に関する研究を進めており、着実に発表していく予定である。 久田によるナン縫合帯の野外調査や、マレーシアでの2回の野外調査により、東南アジアでのジュラ紀~白亜紀の地層に関する植物化石の研究のバックグラウンドとなる地質学的情報が集積した。特に、マレーシア中央部のMaran付近の地層に、植物の炭化化石を含んでいる柔らかい地層群を発見したことは、将来性のある見通しがでてきた。また、マレー大学のSone准教授による、マレーシア国内では最初の恐竜の化石の発見など、当時の熱帯地帯に多様な生物群が生育していたことを示唆しており、今後の植物化石の研究にとっても意義深い。 沢田による白亜紀のバイオマーカーの研究によっても、 褐炭試料からはクチン酸が検出されるなど,白亜紀の堆積物のバイオマーカーについての新知見が得られている
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今後の研究の推進方策 |
今後、特に焦点を当てるのは、白亜紀アルビアン期の植物炭化化石が多量に産出しいているTevshiin Goviである。この上位地層には、保存性の良い3次元構造をもつ炭化化石が多く含まれており、堆積の状態から、被子植物の産出も期待できる。 また、マレーシアのMaran近郊の柔らかい層を含んでいるジュラ紀ー白亜紀の地層が注目される。この1年間で、これらの地域での集中的な調査を行う予定である。 ミャンマーのカチン地域も非常に興味深いところであるが、政情不安定なところもあり、状況が好転した場合は、ぜひ、調査を実施したい地域である。ミャンマー内の今後の状況の変化を注視しているところである。 白亜紀のバイオマーカーの研究も多くの研究業績を積み上げてきており、今後とも、推進していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
モンゴルでの野外調査は、ほぼ、予定通りに行われている。年度末に、マレーシアでジュラ紀~白亜紀にかけて調査を行ったので、その分が計上されていないので、次年度使用額が残っていることになっている。 サンプリングした岩石の自然乾燥と処理に日数がかかっているために、岩石の処理のプロセスが少々遅れています。 モンゴルの北部ゴビ地域での野外調査を続けるとともに、マレーシアなどの東南アジアでの調査を行うことにしている。
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