研究課題/領域番号 |
24405020
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
藤田 尚 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40278007)
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研究分担者 |
鈴木 隆雄 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (30154545)
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 研究員 (50566940)
川久保 善智 佐賀大学, 医学部, 助教 (80379619)
針原 伸二 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40198932)
大野 憲五 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (00635568)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自然人類学 / 古病理学 / モンゴロイド / 遺伝 / 古人骨 |
研究概要 |
平成25年度は、韓国側特にソウル大学の研究者を中心とするメンバーで、第1回のKorean-Japan Forum on Paleopathology in Asia.を韓国釜山市にて開催し、日本側から研究代表者の藤田と分担者の鈴木が参加し、講演を行った。また、その際韓国側から多数の研究者が集まり、懇親会で両国研究者間の親交を深めた。 2014年1月には、韓国ソウル大学の申教授の呼びかけで、カンボジアで開催されたIPPAで古病理学のセッションを開催し、日中韓の研究者間の親交を深めてきている。 アジアにおける研究は、必ずしも容易ではない部分が多いが、地道な交流と信頼関係を構築することに意欲を注いでいる。 なお、遺伝人類学の観点からは、東京大学の針原氏(研究分担者)を中心に、韓国古人骨のDNA分析を開始しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アジアにおける国際研究は、各国の認識や展望の相違が存在し、これを克服していくことには、忍耐と根気が必要であると感じている。あらゆる場面、あらゆる学問的場において、韓国のみならず多くのアジアの研究者との交流と信頼関係を深めていくことに留意していく。従って、当初より研究進展は遅れているが、ここで投げ出すのではなく、何よりも継続性を持たせて、関係の改善や発展に努力していくことが必要である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年6月には、モンゴル国立大学にて、SEAA(アジア考古学会)があり、研究代表者の藤田がオーガナイザーとして韓国から3演題、モンゴルから2演題、日本から2演題で「New Perspectives of Paleopathology in East Asia]のセッションを開催する。韓国との交流を主眼に置いたものであるが、日韓のみではなく、広くアジアの国々の研究者と連携をすることで、日韓の研究関係も好転すると考えられる。 本年度は最終年度であることから、日本において、韓国、モンゴル、中国の研究者を招聘し、ミニシンポジウムを開催したいと考える。その場合は、日本人類学会をはじめとする、関係学会の協力を得て、オールジャパンの体制で、研究協力関係の構築にまい進する。 韓国の人類学者も日本の研究機関所蔵の資料は調査したく、我々もまた同様に韓国国内の資料を調査したい。その辺の協力関係、いわゆるギブアンドテイクの関係が構築されるよう、最大限の努力を多方面から行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨今の情勢から、アジアでの研究協力関係の構築およびその推進は難しいものがある。従って、研究の進捗状況が、当初の計画より遅れていることがその主たる理由である。他国での研究のため、旅費の占める割合が大きく、チームで調査に出向けなかった昨年は、主として旅費の執行残が生じた。 他国での研究は、研究者間の関係のみならず、様々な要因でその可否が左右される。しかし、我々研究者は、純粋に科学者の立場で、他国との関係特に研究協力関係を構築する努力が求められる。今年度は、韓国を主体としながら、アジアの知己の研究者に声を掛け、東京にて、ミニシンポジウムを開催する。そのための招聘旅費等に主に使用する予定である。
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