研究課題
1.北アフリカにおけるサバクトビバッタの相変異制御因子の解明と発生予察技術の確立研究協力機関であるモーリタニア国立サバクトビバッタ研究所によるモニタリングの結果、今シーズン現地ではトビバッタの大発生は観察されなかった。そのため、当初予定していた野外におけるライトトラップの誘引効果や雌成虫の繁殖行動にかんする調査は実施できなかった。一方、中村がケニアの国際昆虫生理生態学センター(ICIPE)を訪問し、ICIPEおよびフランスの国際農業研究開発協力センター(CIRAD)の研究グループと群生相化のメカニズムについて意見交換をおこった結果、本研究で解明された孤独相および群生相トビバッタの採餌行動や天敵からの隠蔽行動にかんする詳細なデータと、CIRADが構築している地理情報システムによる発生予察モデルをくみあわせることによって、より信頼性の高い発生予察技術を実現できることが示唆された。2.西アフリカにおけるマメノメイガの環境保全型管理技術の開発8月に足達がベナンの国際熱帯農業研究所(IITA)を訪問し、マメノメイガの季節的発生消長にかんする調査を実施した。また、3月に足達・小路がケニアの国立博物館とICIPEを訪問し、長距離移動性害虫にかんする情報を収集した。西アフリカではIITAの協力のもと、ベナンとナイジェリアの5か所の調査地で、ライトトラップなどをもちいてマメノメイガの個体群密度かんする調査を前年度より継続しておこなった。その結果、本種が西アフリカ南部の湿潤サバンナ地帯で周年的に発生し、降雨と作物の栽培時期にあわせて北部の乾燥サバンナ地帯へと移動していることが明確にしめされた。ただし、成虫発生時期の規則性は地域個体群によりことなっていた。このような個体群特性の変異には、調査地の気象条件が影響しているものと推測された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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