研究課題
タイ国のチーク人工林(18°25’N, 99°43’E,標高389m)において、間伐を行う間伐区と対照区を設け、間伐に伴う水・エネルギー・炭素循環観測を行い、その影響を明らかにする研究を進めた。間伐調査区は、ほぼ平坦な地形に成立する約40年生のチーク人工林の中の130m×200mの区画である。これを4区分し、その一つを2013年3月、もう一つを2014年3月に間伐した。間伐が木材生産を含む森林の多面的機能に与える影響を評価するための観測項目は、樹木の直径、樹高、蓄積量、リターフォール量、地温、土壌水分、樹冠遮断量、土壌呼吸量等であり、気温、湿度、日射量など樹冠上の気象観測結果とともに集計整理した。主として間伐前の状態における当該チーク林の落葉・展葉の季節性、年蒸発散量とその年々変動、樹液流速の季節変化などの解析結果を公表している。チーク人工林を含む落葉性の熱帯季節林では、温帯に比べ気温の季節変化が小さいが、展葉・落葉の影響を受けて、地温や地温の影響を受ける土壌呼吸量が大きい季節変化を示す。間伐により葉の量が減少するので、地温、土壌呼吸量が間伐の影響を大きく受けることが想定されており、地温、土壌呼吸量について集中した解析を進めた。事前の予想と異なった点は、間伐した木の萌芽の成長が大きく上層樹冠の葉の量は間伐後に減少したが、萌芽を含む下層植生量の増加がみられ、林床日射量の変化は小さいものであった。このため、地温、土壌呼吸量の間伐前後の変動に関する解析に時間をかけて慎重に行う必要が生じている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Agricultural and Forest Meteorology
巻: 202 ページ: 1-10
10.1016/j.agrformet.2014.11.013
Int J Biometeorol
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s00484-014-0926-1