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2013 年度 実績報告書

東南アジア熱帯林の遺伝的保全のためのガイドラインの作成

研究課題

研究課題/領域番号 24405034
応募区分海外学術
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

津村 義彦  独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 領域長 (20353774)

研究分担者 沼田 真也  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (20391138)
谷 尚樹  独立行政法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 主任研究員 (90343798)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードフタバガキ科 / 遺伝子流動 / マイクロサテライトマーカー / 択伐 / ガイドライン / パソ森林保護区 / 一斉開花 / 花粉媒介者
研究概要

マレー半島のフタバガキ林に生育するShorea acuminataを対象種として、2001 年、2002年、2005年の3回の一斉開花時の花粉流動をマイクロサテライトマーカーを用いた父性解析によって明らかにした。更に他殖率、交配様式と開花個体密度の関係、一斉開花の規模による違いについて、種内および種間で比較・検証することを目的とした。その結果、3回の一斉開花にわたるS.acuminataの平均他殖率は2001年で59.0%、 2002年で59.0%、2005年で85.0%となり、他のフタバガキ科樹種と同じく他殖が優占していた。開花個体密度が2002年、2005年で一定して高かった一方で、他殖率は2005年の方が高くなったことより、2002年の開花イベントでは個体レベルでの開花強度が低かったことが示唆された。先行研究や本研究を通して、胸高直径がより大きな個体、及び開花規模と開花個体密度が個体の繁殖成功に大きく関わっていることが明らかになっている。また、その傾向は開花イベントごと、種ごとに変化する。本研究より、択伐予定エリアのS. acuminataの集団の森林の持続性に関する指標として、2005年時程度の開花強度および開花個体密度を維持することが、他殖率の安定と任意交配による遺伝的多様性の安定性につながるといえた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大規模な一斉開花が起きなかったので、以前の一斉開花の際に収集した母樹別の種子の分析を進めて予定通りの解析ができた。

今後の研究の推進方策

一斉開花が起きたら、樹種ごとに種子を収集して、近交弱勢の調査を行う。また、これまでに収集したフタバガキ科の母樹別の種子を分析して、遺伝子流動範囲の推定を行う。本年度に一斉開花が起これば、生態調査を行い母樹別の種子の収集を行う。

次年度の研究費の使用計画

これまで2年間はフタバガキ科の一斉開花が起こらなかったため種子の収集や現地での生態観察ができなかった。そのため今年度は一斉開花が生じたら、生産される種子の収集を行う予定である。
ほとんどの予算は旅費で、現地での種子の採取を行うために用いる。また一部は収集した種子のDNA抽出及び解析用の試薬類の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Non-density dependent pollen dispersal of Shorea maxwelliana (Dipterocarpaceae) revealed by a Bayesian mating model based on paternity analysis in two synchronized flowering seasons.2013

    • 著者名/発表者名
      Masuda S., N. Tani, S. Ueno, S. L. Lee, N. Muhammad, T. Kondo, S. Numata, Y. Tsumura
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 8 ページ: e82039

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0082039

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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