研究課題/領域番号 |
24405034
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
津村 義彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20353774)
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研究分担者 |
沼田 真也 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (20391138)
谷 尚樹 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 主任研究員 (90343798)
内山 憲太郎 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 研究員 (40501937)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | フタバガキ / 遺伝子流動 / 他殖率 / 遺伝的多様性 / 熱帯林 / 持続的利用 |
研究実績の概要 |
S.macropteraは2002年と2005年の平均他殖率はそれぞれ70%と56%であった。他殖種子が受け取った花粉親の平均数は2002年と2005年でそれぞれ8.75と4.89と大きな違いが見られた。平均花粉散布距離はそれぞれ142.9mと304.9mであった。開花率はS.accuminataと同様に2002年よりも2005年が高いが、他殖率や遺伝的多様性などは2005年で低くなるという、S.accuminataとは異なる結果であった。本来、開花率が高い年は他殖率及び種子が受け取る遺伝的多様性も高くなることが一般的である。しかし、S.macropteraはフタバガキ科の中で最初に開花する樹種として知られており、2002年の前年の2001年にも開花しているために、200年にはある程度の花粉媒介者が維持されていたために相対的に高い他殖率などが維持されたのではないかと推測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定をしていたフタバガキ科の樹種について順調に遺伝子流動解析が終了し、他殖率と開花個体密度などとの関連も明らかになってきている。またこれらのデータを用いて択伐基準をどのように設定するかの案もほぼ作成が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は得られたデータをさらに吟味して択伐基準を設定していく必要がある。そのためには樹種ごとに適切なBreeding Unit Sizeなどを設定していくことにより、簡便な択伐の指標として活用が期待されるであろう。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間内で東南アジアでの一斉開花現象が起こったのは26年度であった。そのため、26年度の開花及び結実で散布された種子の発芽やその後の成長を十分に調査する期間が取れずに未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
26年度の一斉開花現象で散布された種子から生じた実生の生残調査及びこれまでの成果を踏まえたマレーシアやインドネシアの研究者と択伐の遺伝的ガイドラインの打ち合わせに使用する予定である。
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