研究課題/領域番号 |
24405046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中井 裕 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80155655)
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研究分担者 |
多田 千佳 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30413892)
池田 実 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (70232204)
米澤 千夏 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (60404844)
田島 亮介 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (60530144)
吉原 佑 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (50552379)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 環境分析 / 生物多様性 / 環境政策 |
研究概要 |
モンゴルでは、市場経済化に伴う遊牧飼養頭数の増加、遊牧民の都市近郊での定住化が進行している。また、都市から離れた地方においても夏場の、水飲み場となる河川には家畜が集中している。家畜から排出されたふん尿は川沿いに蓄積し、河川流域環境の土壌や植生の劣化、並びに水質汚濁・衛生環境の悪化が懸念されている。さらに、水圏の生物相を含める河川流域生態系の崩壊に伴い、持続可能な遊牧社会の存続が危ぶまれている。人口や家畜の増加に伴う水利用の需要拡大と水資源の枯渇が予想される中、河川流域の水、土壌、生物、社会の連鎖的なつながりの視点を持った総合的な調査が必要である。本研究では、首都ウランバートルの飲料水源となっているトーラ川を中心に、河川流域における遊牧社会と流域環境の水、土壌、生物に対する影響について、相互関係に着目した視点での調査を行い、得られたデータを総合的に解析することで、新たな問題解決案を提案する事を目的とした。H24年度は、 トーラ川の上流域、ウランバートル付近、ウランバートル下流域でサンプリングを行った。サンプリングの結果、河川近辺では、その位置より山側に離れた場所に比較して、植物の種多様性が低いことや、土壌窒素濃度が高いときに、生育する種が優占していることが明らかになった。また、河川やため池の水質においても、動物の集中しているサンプリング地点では、有機物による水質汚染が明らかとなった。周辺に生息する動物の糞からはPCRの検出によって、寄生虫Cryptosporidiumの存在が明らかになった。今後、その種構成についても解析する予定である。魚については、数種の魚が採取され、山間地と草原地帯では、魚類相が明らかに異なることがわかった。その中で、カワヒメマスの遺伝的多様性について解析したところ、トーラ川においては、水質の違いはあっても、遺伝的多様性には違いは認められず、これまでの知見から、今回検出された4種類のハプロタイプはバイカル湖水の集団と同一のクレードに属した。また、遊牧民の暮らしぶりについても調査を行い、生活の上で重要視していることについても、遊牧民の生活環境で異なることが明らかになった。上記の点を踏まえ、H25年度はより詳細に調査を行い、これらの結果をGISにまとめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初めての調査としては、目的をほぼ達成できた。モンゴルの研究環境状況等もほぼ把握でき、関係大学との協定も結んだため、今後、より、スムーズな調査研究が可能になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の成果を踏まえ、より詳細な調査を引き続き、継続する。また、新たに、モデル実験も設定し、家畜放牧と水質汚染、その他の環境との関連性についてより詳細に解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は調査期間を昨年度に比較して長く行う予定でいる。そのための運転手、車レンタルに使用する。また、モデル実験をおこなうための研究環境を整える機材類の購入にも使用する。さらに、前回の調査に引き続き、必要な調査分析消耗品類の購入を行う予定である。
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