研究課題/領域番号 |
24405048
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80159863)
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研究分担者 |
保母 武彦 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (70127497)
谷口 憲治 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (80124329)
一戸 俊義 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (20252900)
上園 昌武 島根大学, 法文学部, 教授 (00314609)
松本 一郎 島根大学, 教育学部, 准教授 (30335541)
山岸 主門 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (00284026)
関 耕平 島根大学, 法文学部, 准教授 (10403445)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 持続可能性 / 農村社会 / 農業 / 畜産 / 環境政策 / エネルギーミックス / 環境教育 / 中国 |
研究概要 |
H25年度は、前年度の国際関係の緊張から実施できなかった現地農村での基本的事項をカウンターパート研究者とともに農家の実態と意識を把握するためにアンケート調査により実施した(6から9月)。アンケートを実施した地区に対して、現地ヒアリング調査を実施し(10月)、農村の基本状況を把握した。アンケートは4班に分かれ、①農村班(10か所、200データ)、②農業・畜産班(5か所、100データ)、③環境政策班(2か所、200データ)、④環境教育班(4か所、125データ)が収集できた。 アンケート分析の結果、各班で以下のようなことが分かった。①農村班のデータはは土地所有、農業・農外就業の実態、農業の取り組み意識、環境意識、ソーシャルキャピタルにかんする項目を含み、対象地区を因子分析により分析することで、地区ごとの性格が明瞭に区分でき、今後の研究展開に資する結果を得られた。②農業・畜産班では、退耕還林・封山禁牧政策の結果、牧畜業は舎飼になり、その飼養技術、経済的、環境意識の変化を追うことで、村ごとや飼養規模ごとの畜産の位置づけ、共同化や農民小金融の取り組みも村によって明確な差がみられ、その背景を検討する必要がある。③環境政策班のデータからは、都市地区(非農家)と縁辺地区(農家)、および立地条件、対象者年齢により、ことなる環境域がみられた。④環境教育班では、非農家(都市地域、都市近郊農村)と農家(伝統的農村、移民村)の延べ4か所を比較すると、環境意識は都市化、発展過程と連動しながら進んでいることが判明した。 これらの点から、アンケートデータをより詳細に分析し、農村・都市地域における「持続可能な環境の在り方」の意識構造をより明確にし、その基礎的部分に対して適切な働きかけをしていく必要があることが明確になり、現在はデータ分析結果の統合化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2012年の尖閣問題、2013年の首相の靖国参拝による日中の国際情勢の緊張に大きく影響を受けている。そのため、農村部での現地調査を行うには大きな制約があり、カウンターパートに依存せざるを得ない部分があり、研究計画、研究項目のある程度絞らざるを得なかった。そのため、本来は1年目に終了していなければならない基本的調査が大きくずれ込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、研究計画がずれ込んでいるが、3年目には一定の明らかな結果をまとめたいと考えている。今後は、基本的調査を実施した地区から、いくつかの地区を絞り、意識改善に関わる、またそれが無理なく実施できるような、経済的インセンティブや倫理観を中心とする新しい仕組みを、簡便な社会実験を通じて検討していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
日中の国際情勢の緊張によって、日本人研究者が現地調査に入るのを制約され、それにかわりカウンターパートに調査委託を行いデータをえた。しかし、現地で消火すべき調査が残り残額が発生した。 国際情勢が小康状態のうちに、現地調査を完了し、カウンターパートと共同で社会実験を行い、研究計画を回復する。
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