中国低開発農村の持続可能な新システムの形成と定着に関する研究

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24405048
• 研究機関: 島根大学
• 研究代表者: 伊藤 勝久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80159863)
• 研究分担者: 山岸 主門 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (00284026) ; 上園 昌武 島根大学, 法文学部, 教授 (00314609) ; 関 耕平 島根大学, 法文学部, 准教授 (10403445) ; 一戸 俊義 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (20252900) ; 松本 一郎 島根大学, 教育学部, 教授 (30335541) ; 保母 武彦 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (70127497) ; 谷口 憲治 就実大学, 経営学部, 教授 (80124329) ; 米 康充 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (30467716)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 中国西北部 / 条件不利地域 / 経済発展 / 持続可能な農牧業 / 環境負荷 / 環境教育 / ソーシャル・キャピタル

研究実績の概要

本研究では、農村の安定的発展を促す新しい農業システム・環境対策の受容可能性に関して、条件不利地域農村の協同意識、ソーシャル・キャピタル（以下SC）、環境意識形成、環境教育の方法面から、中国側研究者と現地調査、アンケート調査、資料研究を進め、農村に新システムを提案し、社会実験により定着への課題を明示することを目的とした。2012年の尖閣問題により一時調査が不可能になり正常化するまで約一年のロスを生じた。時間的制約から社会実験は出来なかったが、次の三点に関する成果を得た。
１）脆弱な自然条件の下での強度の放牧から舎飼に変更された牧畜業（綿羊）に関して、摂取養分と肉質との関連、販売システムを点検し、その結果多くの課題が見出された。これらの改善により増頭せずに（環境負荷を増大することなく）、安定的収入が得ることができる方法を提案した。また農民専業合作社・地域優勢産業の形成、農民小金融の普及により、所得を改善し環境負荷を低下する方法を提案した。
２）中国農村では概してSCが保持されているが、経済発展が著しい都市近郊農村ではSCが薄れ現実的行動がみられ、他方経済発展の影響が及んでいない遠隔地農村では経済的には貧しいが豊かなSCが保持されている。中国農村の発展要求は高く、経済的豊かさの追求が当面の課題であるので、就業構造や年齢構成・人口規模の変化によりSCは伝統的なものから変質することは否めない。
３）農村地域では経済発展を優先し、環境意識は未熟である。その中でも都市近郊農村や環境脅威が大きい農村では、環境と経済とを比較する段階に達してきた。地方政府により環境教育の枠組みは検討されているが、農村の現状や農民意識を考慮しておらず、効果は期待できない。農民意識の詳細な調査をもとに、島根県の環境教育テキスト（メンバーの一員が執筆）を参考に農民に適した環境教育プログラムの示唆を得た。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

26年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Effects of grass forage species and long term period of low quality forage diet feeding on growth performance, nutrient utilization and microbial nitrogen yield in growing wether lambs (2015)
  • 著者名/発表者名: Kim D, Choi K, Song S, Ichinohe T.
  • 雑誌名: Animal Science Journal 巻: - ページ: -
  • 査読あり
• [雑誌論文] 低品質粗飼料主体飼養によるサフォーク種のホゲット生産評価. (2015)
  • 著者名/発表者名: 一戸俊義
  • 雑誌名: 第12回日中国際学術セミナー論文集 巻: 12 ページ: 47-54
• [雑誌論文] 中国農村と都市における家庭のエネルギー需給構造の実態－寧夏回族自治区のアンケート調査より－ (2015)
  • 著者名/発表者名: 上園昌武・関耕平・保母武彦・張小盟
  • 雑誌名: 経済科学論集 巻: 41 ページ: 33-50
• [雑誌論文] 被災地における復興行財政の課題と住民参加 (2015)
  • 著者名/発表者名: 関耕平
  • 雑誌名: 環境と公害 巻: 44-3 ページ: 45-50
• [雑誌論文] 中国西北部出稼ぎ労働者供給地における農山村の変容と農業参加 (2015)
  • 著者名/発表者名: 桒畑恭介・伊藤勝久
  • 雑誌名: 林業経済研究 巻: 61 ページ: 39-50
  • 査読あり
• [雑誌論文] 中国西北部農村における持続可能な農業生産への移行の可能性―農業・生活志向と農民属性の関係性から― (2015)
  • 著者名/発表者名: 伊藤勝久・劉学武・蔵志勇
  • 雑誌名: 第12回日中国際学術セミナー論文集 巻: 12 ページ: 55-64
• [雑誌論文] 粗飼料主体によるサフォーク種のホゲット生産評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 金多慧・崔基春・一戸俊義・宋相憲
  • 雑誌名: 日本緬羊研究会誌 巻: 51 ページ: 9-14
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of different roughage sources and feeding levels on adipogenesis of ovine adipocytes. (2014)
  • 著者名/発表者名: Kim D, Choi K, Ichinohe T, Song S
  • 雑誌名: Animal Science Journal 巻: - ページ: -
  • 査読あり
• [雑誌論文] 理科におけるこれからの環境教育-持続可能な社会づくりにおける意識教育・知識教育・行動教育の位置づけと重要性- (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本一郎
  • 雑誌名: 理科の教育 巻: 63 ページ: 529-533
  • 査読あり
• [学会発表] 農村を舞台とした数種の学術調査が生産者と消費者に及ぼす影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本俊輔・山岸主門・城惣吉・籠橋有紀子・巣山弘介・井上憲一
  • 学会等名: 日本有機農業学会
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-12-07 – 2014-12-07
• [学会発表] 粗飼料主体によるサフォーク種のホゲット生産評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 金 多慧・宋 相憲 ・一戸 俊義
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 中国寧夏自治区の農村と都市のエネルギー需給構造の分析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 上園昌武・関耕平・保母武彦・張小盟
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 農業産業化に果たす農村小金融の役割と農業園区―寧夏回族自治区塩池県を事例に― (2014)
  • 著者名/発表者名: 谷口憲治
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 学生を対象にした環境に関わる意識・行動・評価アンケートの日中比較 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山岸主門・李婉・松本一郎
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 中国西北部農村における持続可能な農業生産への移行の可能性―農業・生活志向と農民属性の関係性から― (2014)
  • 著者名/発表者名: 伊藤勝久・劉学武・蔵志勇
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 西部農村環境教育現状与展望 (2014)
  • 著者名/発表者名: 李隴堂・薛晨浩
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 世界粮食安全概况与東亜農業発展対策 (2014)
  • 著者名/発表者名: 胡躍高
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 宁夏荒漠化治理及農村環境保護研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 徐永富
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 中国農村部における農業廃プラスティックの使用実態の解明と適正処理ヘ向けて－寧夏回族自治区でのアンケート調査結果の分析－ (2014)
  • 著者名/発表者名: 関耕平・張小盟
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 世界の環境教育の動向 －ESDの観点からのこれからについて－ (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本一郎
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 低開発地域における農民戸のエネルギー消費の特徴とその動機 (2014)
  • 著者名/発表者名: 張小盟・高文青
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 日本語と中国語の話題転換方法に関する比較研究―話題終了ストラテジーの使用状況を中心に― (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中奈緒美
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 地域資源を生かした農業開発とは何か？―中国山西省霊丘県車河社区の事例を中心に― (2014)
  • 著者名/発表者名: 胡霞
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 低開発農村における都市化のリスク評価に関する研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 劉学武・蔵志勇
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 寧夏塩池県におけるこの10年の植生動態とその安定性に関する研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 宋乃平
  • 学会等名: 第12回日中国際学術セミナー
  • 発表場所: 島根大学 松江市
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 「環境」に関わる教養授業で有機農業をテーマに話す (2014)
  • 著者名/発表者名: 山岸主門・井上憲一・巣山弘介・松本一郎
  • 学会等名: 日本農業教育学会
  • 発表場所: 東京農業大学
  • 年月日: 2014-10-19 – 2014-10-19
• [図書] 『フィールドで学ぶ斐伊川百科』所収 宍道湖周辺での農作業体験 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山岸主門（島根大学「斐伊川百科」編集委員会編）
  • 総ページ数: 184-193
  • 出版者: 今井書店
• [図書] 『フィールドで学ぶ斐伊川百科』所収 奥出雲の山村と林業 (2015)
  • 著者名/発表者名: 伊藤勝久（島根大学「斐伊川百科」編集委員会編）
  • 総ページ数: 224-241
  • 出版者: 今井書店
• [図書] 認識荒漠化―内蒙古、寧夏、新彊荒漠化実況 (2014)
  • 著者名/発表者名: 胡躍高・保母武彦主編
  • 総ページ数: 281
  • 出版者: 中国人民大学出版社
• [図書] 『格差是正と税制：租税理論研究叢書24』所収 TPP参加による地域格差の拡大と地方税財政の課題 (2014)
  • 著者名/発表者名: 関耕平・三好ゆう（租税理論学会編）
  • 総ページ数: 36-53
  • 出版者: 法律文化社
• [図書] 地域資源活用による農村振興 (2014)
  • 著者名/発表者名: 谷口憲治他
  • 総ページ数: 550
  • 出版者: 農林統計出版
• [図書] 農協論再考 (2014)
  • 著者名/発表者名: 谷口憲治他
  • 総ページ数: 261
  • 出版者: 農林統計出版
• [図書] 『地域資源活用による農村振興』所収 中山間地域の森林資源利用と林業振興―資材・エネルギー産業としての新たな森林利用体系― (2014)
  • 著者名/発表者名: 伊藤勝久（谷口憲治編著）
  • 総ページ数: 349-377
  • 出版者: 農林統計出版