研究実績の概要 |
東アジア3カ国(日本、中国、韓国)にて動脈硬化及び老化関連疾患罹患状況、健診受診状況、幸福感等を調査し結果解析を進める一部結果を学会発表、論文化した。 調査実施国、地域1日本ー名古屋市、名古屋大学医学部老年内科 2中国ー中国雲南省昆明地域-雲南中医学院余澤雲老年消化器科主任教授、同四川省成都地域ー四川医科大学老年科丁群芳准教授、3韓国ーソウル地区 成均館大学医学部付属サムソンメデイカルセンターYoon BK婦人科教授、仁川地区 Inchon medical university Kwang Kon Koh循環器内科教授等の協力を得て、各研究グループの医師、看護師らと連絡を取り研究を進めた。2008年からのコホート研究(高齢女性1078名)の予後と現在の診療状況を調査した。診療項目は問診、各種検査、採血と、一部動脈硬化、血栓関連遺伝子変異 (V因子Leiden変異、VII因子R359Qミスマッチ変異、プロトロンビンG2010変異、PAI-1遺伝子4G/5Gマイクロサイト多型,βフィブリノーゲン遺伝子455G/Aミスマッチ)等も検討した。各施設100名内外の高齢男性も新たに登録し調査した。今年度は日韓のメタボリック症候群関連を中心に論文化を進めた。結果、遺伝子変異は全遺伝子(変異発現率も含め)につき、日本と韓国は同一で、中国2地区とは血栓関連遺伝子変異(VLeidenを除き)を中心に乖離があった。V因子変異はアジアには基本的にないと確認された。検査、採血結果では中国はメタボリック症候群発症率が高齢者にも高く高齢女性の健康維持対策として、本邦のような健診システムが整備されておらず、就業状況等で大きな個人差を認めた。性差は中国は高齢女性の検査受診機会が少なく男女差を認め結果以前の留意点となった。日本でも健診項目が以前より少なく、高齢者を意識した項目ではなく今後の改善点が指摘された。
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