研究課題/領域番号 |
24406009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
姫野 誠一郎 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (20181117)
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研究分担者 |
角 大悟 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (30400683)
宮高 透喜 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (50157658)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヒ素 / アジア / 地下水汚染 / メチル化代謝 / 免疫能 |
研究概要 |
本研究は、アジアのヒ素汚染地域のうち、様々な状況が異なっているバングラデシュ北西部とカンボジアのメコン川流域の2つの地域から、ヒ素汚染の指標となる試料、生体影響の指標となる試料を収集し、比較検討し、ヒ素の毒性に影響を及ぼす様々な内的・外的因子を明らかにすることを目指している。 本年度は、両地域での調査でカウンターパートとなる研究者(バングラデシュ・ラッシャイ大学のHossain教授、韓国東亜大学のSuthipong教授)との研究打ち合わせ、及び、両地域での試料収集を行った。首都ダッカから遠く離れた北西部からの試料の輸送は様々な困難を伴うため、姫野がラッシャイ大学に行くだけでなく、Hossain教授も試料の運搬のために来日し、同時に今後の研究打ち合わせを行った。 カンボジアについては、地下水のみならず、米や魚からのヒ素の摂取状況を明らかにするため、魚と米の摂取量を把握するための予備調査と本調査を行った。Suthipong教授とともに、2回にわたってカンボジアの4つの村でのサンプリングと聞き取り調査を行った。調査には王立プノンペン大学の栄養調査の専門家、および、カンボジア水産局の魚類調査の専門家も加わった。カンボジアのメコン川流域では、海産魚のみならず、淡水魚の摂取量が非常に多いことがわかった。しかし、これまで淡水魚のヒ素含量、および、ヒ素の化学形態についてはほとんど明らかになっていない。そこで、初年度から2年度にかけて、淡水魚のヒ素含量とヒ素の化学形態別分析を行うこととした。 カンボジアと同様に、バングラデシュでも地下水のみならず、米、野菜などからのヒ素摂取の実態を明らかにする必要があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にやるべき研究打ち合わせ、試料収集は予定していたよりもかなり多く行うことが出来た。ただし、当初の計画では、初年度からボスドクを雇用してサンプルの測定を開始する予定であったが、来日が次年度に延びたため、サンプル測定はまだ緒に就いたばかりである。人件費が発生しなかった分、多くの資金を調査旅費に導入することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に予想より多くの試料が入手できたので、2年目は試料収集のための調査のみならず、日本での測定作業を積極的に進める。そのため、2年度は、バングラデシュから博士研究員を雇い、試料の測定、実験研究、および、試料収集への参画を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に人件費が発生しなかったため、調査旅費を予定より多く使うことが出来た。さらに、約50万円の未使用額を次年度に持ち越し、人件費に充当するとともに、調査地域、調査対象試料の拡大を予定している。
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