| 研究課題/領域番号 |
24406020
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 応募区分 | 海外学術 |
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| 研究機関 | 兵庫医科大学 |
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研究代表者 |
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
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| 研究分担者 |
中坪 良平 (財)ひょうご環境創造協会(兵庫県環境研究センター), 大気環境科, 研究員 (60463329)
平木 隆年 (財)ひょうご環境創造協会(兵庫県環境研究センター), 大気環境科, 科長 (60446812)
大谷 成人 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10561772)
唐 寧 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90372490)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 国際研究者交流 / 中国 / 大気汚染 / 粒子状物質 / ガス状物質 / 呼吸器症状 / 肺機能 |
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| 研究概要 |
中国東北地方の瀋陽市において、大気汚染物質の挙動を明らかにし、小児の呼吸器系に与える影響について評価することを目的として、市内の1小学校を選定し、疫学研究を実施した。
大気環境測定は、平成24年9月(非暖房期)と12月(暖房期)に2週間ずつ小学校のベランダ(屋外)及び教室内にミニポンプを設置して粒子状物質を粒径別に捕集し、質量濃度、イオン成分、炭素成分、多環芳香族炭化水素(PAH)濃度を測定した。また、同期間中に小川サンプラーを用いて、窒素酸化物、硫黄酸化物の濃度を分析した。2.5μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)の平均濃度は、9月は屋外51.2μg/m3、教室内35.6μg/m3、12月はそれぞれ166.2μg/m3、76.4μg/m3、PM2.5中の元素状炭素成分の平均濃度は、9月は屋外6-5μg/m3、教室内4.9μg/m3、12月はそれぞれ14.3μg/m3、6.5μg/m3であり、いずれも屋外は教室内よりも高く、9月よりも12月のほうが高かった。同期間中に1週間ずつ、同意の得られた小学校児童10名に小型サンプラーを携帯してもらい、粒子状物質とガス状物質の個人曝露量を分析した。PM2.5の個人曝露濃度の平均は、9月60.5μg/m3、12月109.3μg/m3であり、小学校での屋外濃度とほぼ同様であった。
健康影響評価として、9月と12月に小学生の呼吸器症状調査、肺機能検査、呼気中一酸化窒素濃度の測定を実施した。9月の対象者数は251名(男子125名、女子126名)であり、呼吸器症状の有症率は喘息の既往2.3%、喘鳴1.4%、夜間の咳6.4%、鼻症状21.5%であった。12月の対象者数は246名(男子133名、女子113名)であり、喘鳴(0.9%)の有症率は9月よりも低かったが、夜間の咳(8-2%)、鼻症状(37.9%)は9月よりも高率であった。
以上より、暖房期である12月には大気汚染物質濃度が高く、児童の呼吸器症状に影響を与える可能性が示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中国溶陽市疾病予防対策センターと共同研究契約を締結し、平成24年9月に藩陽市内の小学校を対象に疫学研究開始した。当初は6月(非暖房期)と12月(暖房期)に調査を行う予定であったが、中国の学年制が9月開始であることに配慮したほうが調査が効率的に実施できると思われたため、6月の調査開始は見合わせた。しかし、9月に非暖房期の調査を行い、12月には予定通り暖房期の調査を実施したため、概ね順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度に続いて藩陽市内で調査地点を変えて同様の方法で大気環境測定と小学生の健康影響調査を実施する。当初の計画では、平成25年度は北京市で調査を行う予定であったが、平成24年度の研究で藩陽市内でも大気環境に大きな差があることが判明し、藩陽市の共同研究機関のスタッフが調査手法に習熟したことから、同市で引き続き調査を行うことが有意義であると判断した。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
小学生を対象とした健康調査では同一対象者に4回の調査を行う予定であるが、中国の学年制は9月開始であるため、平成24年度の対象者への調査は平成25年6月まで継続し、平成24年度助成金を使用する。その後、新たな対象者を選定し、平成25年9月から平成25年度研究費を使用して研究を行う。
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