多剤、並びに超多剤耐性結核の調査が不十分と考えられるネパール、バングラデシュ、ミャンマー、タイおよびフィリピンにおいて結核あるいは結核様症状を呈したヒトより総計2,208株の抗酸菌を分離して当該国において菌株バンクとして保存した。さらに、これらの菌株からDNAを抽出して、当該国、並びに日本においてDNAバンクとして保存した。 日本に輸入したDNAを対象として遺伝子型を決定するとともに薬剤耐性関連遺伝子変異の解析を実施した結果、ネパールおよびタイにおいては、多剤、並びに超多剤耐性結核の多くがBeijing型結核菌により引き起こされ、急速な伝播動態を示している事が明らかとなった。
|