研究課題/領域番号 |
24406031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
SAENKO Vladimir 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30343346)
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50284683)
柴田 義貞 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 客員教授 (40010954)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 小児甲状腺乳頭癌 / パラフィン組織バンク / 次世代シーケンシング / 新規癌遺伝子 |
研究概要 |
本研究では、ベラルーシとウクライナにおいて、チェルノブイリ事故後短潜伏期で発症した小児甲状腺乳頭癌(PTC)のパラフィン包埋組織、血液と臨床情報を一括した組織バンクの創設を目的とする。 本年度、1990年から1998年10月までに切除されたチェルブイリ組織バンク未登録の若年被曝短潜伏期小児甲状腺乳頭癌症例のパラフィン包埋組織、血液と臨床情報を一括した組織バンクの創設を目的に、2名の専門家をベラルーシとウクライナに派遣した。ウクライナでは92例のパラフィンブロックを収集し、ウクライナと日本の各々2名の病理医により診断を確定した。正常と腫瘍部よりDNAを抽出する目的で、各々パラフィン切片5枚を作製した。このうち血液が採取されたのは32例で、12例において甲状腺機能低下を認めた(TSH値:8-110mIU/l)。これらの患者には適当量のLevothyroxineが投与されていないことが判明し、適量を処方し経過観察とした。ベラルーシでは、1994年、1995年および1997年に切除された21例のパラフィンブロックを収集した。病理診断はベラルーシと日本の各々2名の病理医により確定し、正常と腫瘍部よりDNAを抽出する目的で、各々パラフィン切片5枚を作製した。このうち血液が採取されたのは14例、これらの甲状腺機能は正常であり、適当量のLevothyroxineが投与されていた。収集した全症例で、疫学的、臨床的、病理学的情報のデータベースを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ、当初の計画どおりに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、チェルノブイリ事故汚染地域に専門家を派遣し試料収集を継続、データベース構築をさらに進める。それに引き続き、全ての試料よりDNAを抽出し、分子遺伝学的解析を行う。全エキソーム解析を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
経費の70%は消耗品のために使用する。残りの30%は長崎大学の専門家をチェルノブイリ地域に派遣するための旅費、人件費や謝金に使用する。
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