標本化定理は、今日のデジタル信号処理の礎であることは論を俟たない。本研究では、再生核ヒルベルト空間に係る標本化定理について理論的に解析を行った。標本化定理とは、離散点の情報のみから未知関数を再構成する問題であり、すなわち関数空間の可分性と表裏一体の問題である。本研究では、所与の再生核ヒルベルト空間に一意に対応する再生核のある種の連続性が当該再生核ヒルベルト空間の可分性を担保することを理論的に解明した。また、今日注目を集めている、複数の再生核による関数再構成問題についても理論的に解析し、個々の再生核による最適推定結果の結合として得られるアンサンブルカーネル回帰の有効性を理論的に明らかにした。
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