研究課題
GPGPUを用いた量子コンピュータのシミュレーションの高速化手法として,メモリアクセス回数を低減する手法を提案し,実験によりその有用性を示した.また,正則グラフ上の量子ウォークのシミュレーションを行うハードウェア量子ウォークシミュレータを開発した.FPGAを用いることで,与えられたグラフに応じてシミュレータを再構成することができ,これにより,大幅な省面積化に成功した.また,計算モデルの能力の理論的な解析についても研究を継続し,アフィンカウンタオートマトンと呼ばれる量子計算モデルに非常に近いモデルの優位性を証明した.具体的には,対応する古典決定性モデルでは解けないプロミス付き問題をアフィンカウンタオートマトンで解けることを示した.研究期間全体を通しては,主な成果として以下のものが挙げられる.まず,量子計算モデルの理論的な解析,およびそれらに対する効率的なアルゴリズムの開発として,ガーベッジテープ付き量子プッシュダウンオートマトン,量子カウンタオートマトン,および前述のアフィンカウンタオートマトンに対して,対応する古典計算モデルより優れていることを証明した.また,量子計算機シミュレータの開発に関しては,ハードウェアを用いた汎用量子コンピュータシミュレータ,前述の正則グラフ上の量子ウォークに限定することにより省面積化が可能となる手法の開発,さらにはGPGPUを利用した量子計算機シミュレータの開発を行った.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 謝辞記載あり 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件)
arXiv
巻: arXiv:1703.04281 ページ: pp.1-15
computational complexity
巻: vol.25, no.4 ページ: pp.723-735
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Proc. of the 16th Asian Quantum Information Science Conference (AQIS2016)
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