研究課題/領域番号 |
24500007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山崎 浩一 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00246662)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | minimal separator / unit disk graph |
研究概要 |
本年度はSSE 予想と vertex boundary-width との関係性について研究を行った。この研究の中で、vertexおよびedge boundary-width と極小セパレータの関連性を調べる必要性が生じた。この関連性を調べている過程で、極小セパレータが指数個出現するグラフ構造に着目するようになり、研究を続けた。その結果、誘導マッチング数に関係するグラフパラメータ(ここでは擬似誘導マッチング数と呼ぶ)が極小セパレータを数多く作り出す構造に深く関係していることが分かった。これについて学会発表を行った。学会発表後さらに研究が進み、グラフがある条件を満たすとき、そのグラフが極小セパレータを多数もつ場合、擬似誘導マッチング数が大きくなるという結果を得た。 幾つかの幅系グラフパラメータに対し、鎖構造を持つグラフの族に対しては定数近似アルゴリズムが知られている。定数近似を可能にする構造について理解を深めるため、鎖構造を持つ自然なグラフクラスについての考察を行った結果、(本テーマとは必ずしも直接的に関係はしないが)副産物的に計算幾何学的に興味深い(鎖構造を持つグラフの族に対する)問題を発見した。すなわち、限られた幅の中に単位円を埋め込み、そこでできる単位円交差グラフのクラスとその幅との間にどのような関係があるか?という問題である。この問題に対し、グラフの直径と独立点数との関係に着目することで、単位円交差グラフのクラスが無限の階層を持つことを及びその結果から生まれる新しい幾何的問題を得た。無限階層に関する結果の紹介とそこで生じた新しい問題について学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24年度は基本的に SSE 予想と vertex boundary-width との関係をpath-width を通して探る予定であった。この方向で研究を進めている最中に、vertexおよびedge boundary-width と極小セパレータの関係を調査する必要が生じた。短期的には一見寄り道に見えるが、最終目標を考えると必ずしもそうとはいえないと考えている。しかしながら、SSE予想とのしっかりとした関連付けが得られていないという意味では、やや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、bandwidth および path-distance-width と SSE 予想との関係を明らかにすることを25年度の目標にするが、vertexおよびedge boundary-width、SSE予想に加え、極小セパレータも考慮に入れ研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
洋書の発注の際、円相場の動きが読めないため4千円弱の残額が出た。4千円弱であるため、25年度の助成金額と合わせて問題なく執行できると考える。
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