研究課題/領域番号 |
24500007
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山崎 浩一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (00246662)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | rank-width / clique-width / vertex boundary-width / carving-width / 定数近似困難性 |
研究実績の概要 |
P. Austrin 等の論文( arXiv:1109.4910,2011)で、tree-widthおよびpath-widthに対しては、SSE予想の下で、定数近似困難性が示されていた。しかしrank-widthおよびclique-widthなどの他の幅系グラフパラメータに対しての定数近似困難性は示されていなかった。 26年度の目的は、rank-widthおよびclique-widthとSSE予想との関係を明らかにし、定数近似困難性について研究することであった。最終的には、SSE予想の仮定の下で、rank-widthおよびclique-widthに対し定数近似困難性が示すことができた。しかし、それを示せた時期が26年度末の1月末であっため、26年度内での学会発表等が間に合わず、期間延長し27年4月の国内学会で発表を行った。本研究では、P. Austrin 等が示したcut-widthのある上限と今回申請者が示したvertex boundary-widthやrank-widthのある下限に着目し、SSE予想の仮定の下での(幅系グラフパラメータに対する)定数近似困難性を示すためのフレームワークを示した。このフレームワークを用いて、より多くの幅系グラフパラメータに対して統一的に定数近似困難性を示すことができた。その中で、vertex boundary-widthおよびcarving-widthに対しても定数近似困難性を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一番の目標であった rank-widthおよびclique-widthに対する定数近似困難性を示すなど、当初の予定がほぼ達成できている。一方、当初の目標の一つであったpath-distance-widthに関しては近似困難性を示すことができていない。これは、path-distance-widthがtree-widthなどの他の幅系グラフパラメータと(当初予想していた以上に)性質的に異なることに起因している。申請当初可能なら示したいと考えていたcarving-widthに対する定数近似困難性は示せている。
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今後の研究の推進方策 |
まだ達成できていないpath-distance-widthの近似困難性を示すことが挙げられる。また、得られた成果の国際会議等での発表が挙げられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
グラフパラメータである木幅の近似の手法を、別の幅系グラフパラメータであるの近似に応用するしくみに関して、 新たな成果が得られる可能性がでてきため計画の変更が生じた。成果が得られたのが27年1月末であったため、26年度中の学会発表には間に合わず、この研究発表のための旅費が26年度中に使用できなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
27年1月末に新たな成果が得られた。この新たな研究成果を27年度5月末までに発表するため、 未使用額はその旅費に充てることとしたい。
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